1999 Fiscal Year Annual Research Report
湿式酸化反応による農水産業廃棄物からの低環境負荷型路面凍結防止剤の製造技術開発
Project/Area Number |
11793010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 兵治 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守谷 武彦 東北電力株式会社, 研究開発センター, 研究員
木下 睦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70261592)
田路 和幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10175474)
東島 壽夫 株式会社新潟鉄工所, 環境プラント技術部, 次長(研究職)
佐藤 尚洋 宮城県産業総合技術センター, 上席主任研究員
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Keywords | 湿式酸化 / 有機廃棄物 / 農産業廃棄物 / 水産業廃棄物 / 酢酸 / 酢酸融雪・凍結防止剤 / 酢酸カルシウム / マグネシウム |
Research Abstract |
本年度の各研究実施項目ごとに得られた結果の概要は以下のようである。 ◎酢酸生成反応条件の検討 温度・圧力を緩和するため亜臨界領域において反応条件を検討した。その結果,反応温度300〜330℃,反応時間60〜120秒,酸素供給率50〜110%の範囲での籾殻・稲わらの湿式酸化により,酢酸を超臨界水湿式酸化の場合と同程度に生成することができた。その中で,酢酸カルシウム(CaAc)の結晶化を阻害する不純物の濃度との関係から,湿式酸化反応装置の基本反応条件として330℃,60秒,100%および圧力22MPa,試料濃度4%を採用することとした。 ◎CaAcの生成反応条件の検討 粗粉砕した蛎殻充填層に酢酸水溶液を流通する小型実験装置を作成し,CaAc転換率に及ぼす反応条件の影響を検討した。その結果,反応時間5分以内で転換率をほぼ100%にできた。また,酸化反応により生成したCO_2によるCaAc転換率への影響はみられないが,CaCO_3の溶解度が増加するため,流出した溶液中に不要なCaCO_3が存在することがわかった。 ◎連続式処理装置の設計と製作 以上の結果を基に処理量(乾燥重量)1kg/h(CMAD収量0.2kg/h)の装置を設計した。この装置は高温・高圧条件下での湿式酸化反応装置と低圧条件下でのCaAc生成反応装置から構成される。CO_2によるCaCO_3の溶解度の増加に対処するため,後者ではまず気液を分離し,それぞれを別系統でカルシウムと反応させることとした。装置は現在製作中で,年度内には納入予定である。 ◎その他 酢酸以外の生成物は殆どが低級モノおよびジカルボン酸であり,これらのCa塩も利用可能と考えられる。また,融雪剤はCa塩とMg塩の混合物として利用することが望ましい。これらのことを考慮してカルボン酸の種類によるCa/Mg塩の生成速度について検討した。その結果,Ca塩の生成速度は,カルボン酸の種類により,蟻酸>酢酸>琥珀酸>蓚酸(Mg剤の場合,蓚酸>蟻酸>酢酸>琥珀酸)となり,Ca/Mg剤の種類により,試薬のCa剤>試薬のMg剤>貝殻(蓚酸のみMg剤>Ca剤)となることがわかった。
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Research Products
(1 results)