2000 Fiscal Year Annual Research Report
連続式超臨界二酸化炭素法による非加熱・低エネルギー殺菌・食品加工技術の実用化
Project/Area Number |
11794008
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Research Institution | Hiroshima Prefectural University |
Principal Investigator |
筬島 豊 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (00038184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 満哉 九州大学, 大学院・生物資源環境科学研究科, 助教授 (70149871)
黒柳 正典 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (40117776)
武藤 徳男 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (30112642)
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Keywords | ミクロバブルSC・CO_2 / 連続ミクロバブル法 / 非加熱殺菌 / 非加熱酵素失活 / α-ヘリックス崩壊 / SC・CO_2抽出 / 蛋白質機能変化 / 柑橘果皮成分 |
Research Abstract |
本研究はCO_2を作用体として、これをミクロバブル化・超臨界状態で生産プロセスに供給するシステムを開発することによって、エネルギーミニマム型の新規殺菌・酵素失活、並びに有用・有害物質分離の諸技術として展開するものである。 平成12年度は、主に試作小型連続処理装置の実用化に向けての装置の改良と処理条件の確立を行った。試料の安定な送液はシリンダー型ポンプをプランジャー型ポンプに替えることで、また熱伝対ON-OFFセンサーを取り付けることで効率のよい気相分離を可能とした。また、CO_2ポンプを改善し、吐出圧を向上させることで10μm微細フィルターの目詰まりの防止と低濃度CO_2供給時の溶存CO_2濃度の上昇を達成し、殺菌・酵素失活効果を向上させることが可能となった。これらの装置改善によって、微生物殺菌(使用菌体Saccharomyces cerevisiae;処理圧力20Mpa;処理温度35℃;試料流量15mL/min;滞留時間13min;CO_2供給量4.30-9.59g/min)では、培地共存の影響を消去でき、さらにエタノール無添加時や低濃度CO_2供給時にも10^6オーダーの完全殺菌を達成した。また、酵素失活(使用酵素Bacillus subtilis由来α-amylase、Aspergillus niger由来acid protease;処理条件は同上)については、酵素の至適pH及び温度において溶存CO_2濃度が増加することから、最も効果的な失活を達成できることを明らかにした。これらの結果は、微生物殺菌・酵素失活においては本装置の実用化の目途が立ったことを示している。さらに、今年度は食品アレルゲンタンパク質を同条件下に処理し、プロテアーゼ消化性の向上及び抗原性の低減化についても検討し、タンパク高次構造、特にα-ヘリックス構造の破壊が重要な要因になることを認めている。食品タンパク質の機能性変化及び超臨界CO_2による抽出効果の解析は、本装置の最終的実用化と共に平成13年度に実施する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ishikawa H,Shimoda M,Osajima Y, et al.: "Irreversible unfolding of myoglobin in an aqueous solution by supercritical carbon dioxide"J.Agr.Food Chem.. 48・10. 4535-4539 (2000)
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[Publications] Ishikawa H,Shimoda M,Osajima Y, et al.: "pH-Dependent inactivation of enzymes by microbubbling of supercritical carbon dioxide"Food Sci.Technol.Res.. 6・3. 212-215 (2000)
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[Publications] Ishikawa H,Shimoda M,Osajima Y, et al.: "Unfolding of poly-L-glutamic acid by microbubbling of supercritical carbon dioxide"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 64・6. 1295-1297 (2000)