2001 Fiscal Year Annual Research Report
海洋微生物の持つバイオパワーを使った食品・医薬品素材の開発研究
Project/Area Number |
11794013
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
児玉 靖司 長崎大学, 薬学部, 助教授 (00195744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 弘師 長崎大学, 薬学部, 教授 (00145674)
小林 信之 長崎大学, 薬学部, 教授 (30150329)
渡邊 正己 長崎大学, 薬学部, 教授 (20111768)
岡市 協生 長崎大学, 医学部, 助教授 (80124874)
小田 達也 長崎大学, 水産学部, 教授 (60145307)
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Keywords | 海洋微生物ライブラリー / メラニン生成抑制 / 癌細胞増殖阻害 / 赤潮プランクトン / 活性酸素 / マンヌロン酸 / 細胞遊走抑制 / 内分泌撹乱物質 |
Research Abstract |
本研究は、豊富な海洋資源に恵まれた長崎県の特長をいかして、海水や海底泥から採取して構築した海洋微生物ライブラリー、及び有用な海洋生物資源を利用して、新しい食品あるいは医薬品素材を開発することを目的としている。今年度は、以下に示す成果を得た。(1)構築した海洋微生物ライブラリーの548株についてスクリーニングした結果、2株のグラム陰性桿菌由来培養液中に、0.25mMアスコルビン酸に匹敵するメラニン生成抑制活性があることを発見した。その抑制活性は、熱耐性であり、アスコルビン酸とは異なり還元能はないことが分かった。(2)海洋微生物ライブラリーの2,480株の培養液上清について、癌細胞の増殖抑制活性をスクリーニングした結果、24株の陽性菌を発見した。(3)昆布アルギン酸の構成成分であるポリマンヌロン酸が、p53野生型の神経膠芽腫細胞のX線照射後に見られる細胞遊走の促進を抑制することが分かった。(4)赤潮原因プランクトン・シャットネラは活性酸素を産生放出することを明らかにした。この産生はレクチンや魚由来粘液性物質添加で著しく上昇することを見出した。また、シャットネラ水抽出物中に活性酸素消去物質が存在していることを明らかにした。(5)海洋資源に含まれる内分泌撹乱物質など神経系に作用する新規物質の、in vitro及びin vivoスクリーニング系を確立した。これらは、海洋微生物からの神経系作用活性を持つ新規物質のスクリーニング系としての有用性が期待される。以上のように、本研究により整備した海洋微生物ライブラリーを中心にして、海洋生物資源より新規生理活性物質に関する有用な情報が得られた。
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[Publications] J.Kumagai: "Scavenging of long-lived radicals by (-)-epigallocatechin-3-O-gallate and simultaneous suppression of mutation in irradiated mammalian cells"Radiat. Phys. Chem.. (in press). (2002)
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[Publications] S.Kojio: "Caspase-3 activation and apoptosis induction coupled with the retrograde transcription of shiga toxin : inhibition by brefeldin A"FEMS Immunol. Med. Microbiol. 29. 275-281 (2000)
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[Publications] J.Ikeda: "Restration of endogenous wild-type p53 activity in a glioblastoma cell with intrinsic temperature-sensitive p513 induces growth arrest but not apoptosis"Int. J. Cancer. 94. 35-43 (2001)
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[Publications] T.Oda: "Hemolytic activity of Heterocapsa circularisquama (Dinophyceae) and its possible involvement in shellfish toxicity"J. Phycol.. 37. 509-516 (2001)
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[Publications] H.Ueda: "Protein kinase C-mediated inhibition of μ-opioid receptor internalization and its involvement in the development of acute tolerance to peripheral μ-agonist analgesia"J. Neurosci. 21. 2967-2973 (2001)