1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11794029
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
秋山 侃 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (10283318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 一 岐阜県森林科学研究所, 研究部長
小見山 章 岐阜大学, 農学部, 教授 (60135184)
小泉 博 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (50303516)
篠田 成郎 岐阜大学, 流域環境研究センター, 助教授 (80187369)
宮坂 聡 中日本航空株式会社, 研究担当課長
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Keywords | 木曽三川 / 水質 / 生態系 / 地理情報 / 人間活動 / 物質循環 / モデル化 / 流域管理 |
Research Abstract |
時空間流域情報の評価:長良川と揖斐川流域について、数値地図、国土数値情報、人工衛星画像、航空写真、旧版地図、などによるデータベース作成が進展した。その結果、長良川流域の約100年間の植生タイプの時代的変遷や、近年の土地被覆変化が明らかになった。また、衛星マイクロ波干渉による地表判読や山岳傾斜地帯の衛星画像解析精度の向上、昆虫相による農耕地の安定性評価等の個別新技術が開発されている。 物質収支の解明:森林、水田、畑地、草地などの各生態系におけるC、N、Pの流入、流出、蓄積に関するデータの収集が順調に進んでいる。とくに人工林や二次林の管理、草地畜産、畑における栽培管理、水田の移植期や品種選択、用水管理などの人為影響と物質動態の定量化が試みられた。例えば一毛作の畑では毎年1平米当たり約300g、二毛作の畑では250gの炭素が流出していることが判った。伐採後年数の異なる二次林の遷移についても認査が始まった。また、航空機MSS画像やデジタル航空写真から森林バイオマスを直接推定する手法等について検討を始めた。これらの結果は流域管理のためのモデル化に適用される。 物質循環過程のモデル化と水質改善:植被の異なる流域において、河川の流量や水質データを現地観測により収集し、土地利用や人間活動が物質収支に及ぼす影響をモデルから試算した。今回のモデルでは、ランドサットTMデータや行政機関が保有する産業・経済活動データの空間的配分から、小流域への全窒素、全リン負荷流出特性を算出した。その結果、工場排水などからの流出が無視できないほど大きいことが判明した。河川の水質を改善するための具体的手法の検討も行われた。 次年度については現地観測の継続、データベースの完成、モデル化の推進、流域管理技術の向上を図る。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Koizumi, H. 他5名: "Soil respiration in three soil types in agricultural ecosystems in Finland"Acta Agric. Scand., Sect. Soil & Plant Sci.. 49巻. 65-74 (1999)
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[Publications] 関川,小泉 他5名: "ブドウ園における土壌呼吸測定システムの構築と測定"玉川大学農学部研究報告. 39号. 1-10 (1999)
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[Publications] 小見山章: "広葉樹二次林"森林科学. 27号. 41-43 (1999)
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[Publications] 秋山侃: "流域環境研究の視点"第8回流域環境研究シンポジウム要旨集. 第8集. 4-7 (2000)
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[Publications] 都築,篠田,湯浅 他3名: "長良川流域内の全窒素・全リン流出特性に及ぼす土地被覆空間配置の影響評価"水工学論文集. 44巻. 1143-1148 (2000)
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[Publications] Itano, S., Akiyama, T. 他3名: "Spectral characteristics of aboveground biomass, plant coverage and plant height in Italian ryegrass meadow"Grassland Science. 46巻(印刷中). (2000)
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[Publications] 湯浅晶: "3.3河川水の利用 日本の水環境-東海・北陸編(分担)"技報堂出版. 239 (1999)