2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11800009
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
福地 光男 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (80099936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平譯 享 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (70311165)
青木 茂 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (80281583)
小達 恒夫 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (60224250)
渡邉 修一 北海道大学, 大学院・地球環境学研究科, 助教授 (00167131)
谷村 篤 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10125213)
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Keywords | 南極海 / 海洋環境 / 海洋生態系 / 中長期的変動 / 国際貢献 |
Research Abstract |
本年度は引き続き諸外国の南極海洋観測データの取得及び解析状況を調査を実施した。特に地球規模環境変動に関する国内外各種研究集会等の機会を捕らえ、現状解析を実施した。7月フランス、ブレストで開催された南大洋JGOFS国際研究計画集会では、我が国のセデイメントトラッブ長期係留実験の成果を発表し、諸外国の南極海における同種の結果と比較検討を行った。ここでは、地球規模炭素循環プロセスの解明におけるトラップ実験の継続は、今後、大気下部と海洋表層との相互作用の研究の発展につながることが指摘された。また、10月国際的なWOCE/CLIVAR関係の集会にて、我が国の南極海インド洋区における水塊の中長期的変質を解析し、表層において数十年規模の顕著な変動が発表され、今後の解析が注目された。本年度は生物変動過程の一つとして、海表層の動物プランクトンの時空間変動を解析するため、標本・データの処理、変動過程抽出の解析を極地研(5-6月)及びオーストラリア南極極(3月)において集中的に実施した。インド洋区を広くカバーする解析が日豪共同で実施され、南極周極波動現象(ACW:Antarctic Circumpolar Wave)との関連が注目された。12月極地研での「第23回極域生物シンポジウム」では「日豪共同研究特別セッション」がもうけられ、これまでの成果が発表された。 これらの過去の成果の解析と並行して、今後の解析に不可欠なデータを得るため、可能な限り現場観測に参加した。オーストラリア南極海洋研究航海にて海水温などの基礎データの蓄積に務めると同時に、基礎生産過程及び地球温暖化に関連するガス物質発生過程に関わるデータの蓄積を実施した。これらの新しいデータの取得・解析は歴史的データと相補的な関係にあり、本研究を推進する原動力である。また、この航海においては近未来の現場観測の推進についても数多くの調査を行った。また、同航海終了後にはオーストラリア南極局にて日豪の研究分担者間で、本年度のデータ解析及び現場観測をとりまとめた。また、最終年度となる来年度は今年度の航海実績をもとに更に国内外の現場観測へ積極的に参画し、中長期変動傾向抽出に必要な標本とデータを取得する計画を立案した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Sakae Kudoh,Yasutaka Tsuchiya,Katsufumi Sato and Mitsuo Fukuchi: "Autumnal ice algal bloom at the first-year ice developed near Syowa Station, Antarctica-Studies on the growth environments and photosynthesis"Korean Journal of Polar Research. (in press). (2000)
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[Publications] Mitsuo Fukuchi,Tsuneo Odate,Sakae Kudoh and Toru Hirawake: "JARE marine biology program-Its achievement and near future program"Korean Journal of Polar Research. (in press). (2000)
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[Publications] Fukamachi,Y.,M.Wakatsuchi,K.Taira,S.Kitagawa,S.Ushio,A.Takahashi K.Oikawa T.Furukawa,H.Yoritaka,M.Fukuchiand T.Yamanouchi: "Seasonal variability of bottom-water properties off Adelie Land, Antarctica."J.Geophys.Res.. 105・C3. 6531-6540 (2000)
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[Publications] Suzuki,H.,H.Sasaki and M.Fukuchi: "Short-term variability in the flux of rapidly sinking particles at the marginal ice zone of the Antarctic Ocean in summer."Polar Biol.. (in press).
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[Publications] Kobayashi,M.,Kawaguchi,S.,Saigusa,J.,Takahashi,K.,Tanimura,A.,Fukuchi,M.,and Toda,T.: "Circumpolar occurrence of eugregarinid protistan associated with Antarotic krill."Polar Biol.. (in press).
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[Publications] Mitsuo Fukuchi: "Global climate change and polar marine plankton"Bulletin of the Plankton Society of Japan. 48・1. 41-50 (2000)
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[Publications] Shigeru Aoki,Nathaniel L.Bindoff and John Church: "Multi-decadal changes of water masses in the Indian and Southern Ocean"The WOCE/CLIVAR representatives and variability workshop, Fukuoka, Japan (October). (2000)