2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11800009
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
福地 光男 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (80099936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平譯 享 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (70311165)
青木 茂 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (80281583)
小達 恒夫 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (60224250)
谷口 旭 東北大学, 農学部, 教授 (30002091)
谷村 篤 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10125213)
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Keywords | 南極海 / 海洋環境 / 海洋生態系 / 中長期的変動 / 国際貢献 |
Research Abstract |
本年度の成果は、以下の3課題に分けられる。 (1)南極海インド洋区の海洋環境変動 過去の成果を基に、中長期的な変動傾向の抽出を試みた。インド洋区に位置するケルゲレン海台周辺のクロロフィル濃度の経年変動を解析したところ、1996/97年夏期のクロロフィル濃度が他の年より低いことが明らかとなった。また、第1次隊(1956/57)から第40次隊(1998/99)の海洋定常観測データを解析し、インド洋区にて表面珪酸塩濃度が平均的に高い海域と低い海域とが交互に存在することを始めて明らかにした。その要因として海水の密度分布、その分布に影響する大気の低気圧循環が大きく関与することを指摘した。また、珪酸塩濃度の変動は南極周極波動現象のような大気振動現象に呼応していると言える。 (2)現場観測 平成13年5月、10月及び平成14年1月に研究集会を開催し、現場観測におけるサイエンスプランを議論した。これらの集会での議論をもとに、2001〜2002年にかけての夏期間をカバーした複数船による時系列現場観測が実施出来た。この現場観測には本研究課題の研究分担者及び研究協力者が合計19名参加した。 (3)極域海洋コンソーシアムの基盤構築 2001〜2002年シーズンに実現した国際共同の複船時系列観測は、本研究課題に集結した研究者集団が母体となり、日本主導のボトムアップで実現した。この観測に参加した多くの研究協力者は大学院学生であり、今後の成果が大いに期待されるところである。これまで学問分野の縦割り的に行われてきた南極域の海洋研究が、本研究課題の遂行を通して、まさに分野横断型の共同研究体制が出来上がりつつあると言える。 以上の平成13年度の実績も含めた成果報告書を取り纏め、印刷した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Baba, K., M.Wakatsuchi: "Eastward propagation of the intraseasonal variability of sea ice concentration and the atmospheric field in the marginal ice zone in the Antarctic"Geophys. Res. Lett.,. 28. 3669-3672 (2001)
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[Publications] Chiba S, T.Ishimaru, G.W.Hosie, M.Fukuchi: "Spatio-temporal variability of zooplankton community structure off east Antarctica (90-160。E)"Marine Ecology Prog. Ser.. 216. 95-108 (2001)
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[Publications] Ihii, M., H.Y.Inoue, H.Matsueda: "Net community production in the marginal ice zone and its importance for the variability of the Oceanic pCO_2 in the Southern Ocean south of Australia"Deep-Sea Research II. (in press).
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[Publications] Nihashi S., K.I.Ohshima: "Relationship between the sea ice cover in the retreat and advance seasons in the Antarctic Ocean"Geophys. Res. Lett.. Vol.28 No.19. 3677-3680 (2001)
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[Publications] Sohrin Y., その他7名: "Determination of Trace Metals in the Ocean by MAF-8HQ Column Extraction-ICP-MS"Analytical Sciences 17, Supplement. (in press).
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[Publications] Suzuki, H., H.Sasaki, M.Fukuchi: "Short-term variability in the flux of rapidly sinking particles at the marginal ice zone of the Antarctic Ocean in summer"Polar Biology. 24. 697-705 (2001)