2000 Fiscal Year Annual Research Report
マルチプルアクション型電動車椅子の開発による下肢障害者の運動実感に関する研究
Project/Area Number |
11832002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
蓮見 孝 筑波大学, 芸術学系, 教授 (60237956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋野 賢 福岡県, 工業技術センター, 副所長
永田 可彦 経済産業省, 産業技術総合研究所・機械技術研究所, 研究員
甲田 壽男 経済産業省, 産業技術総合研究所・機械技術研究所, 首席研究官
河野 寿之 (株)安川電機つくば研究所, 係長
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Keywords | 運動実感 / 実感 / 福祉機器 / 車椅子 / 感性 / マルチプルアクション / 3次元解析 / プロトコル |
Research Abstract |
この研究は、下肢障害者の移動や運動を支援する、より高度な福祉機器の開発を行うための一連の研究の一部である。従来の下肢障害者用の移動機器のデザイン研究は、主に身体的な機能障害を補完するという機能主義的な方法論によって開発されてきた。このような基礎的かつ着実な研究の蓄積はもちろん重要ではあるが、障害者の移動や運動の質をより向上されるためには、健常者の運動実感への着目と機器への応用など、感性的な側面からの研究も必要である。 この研究は、3つの研究テーマからなっている。すなわち、1)人間が持つ「運動実感」とは、どういうものなのか、2)横移動、上下移動、ハンズフリーなどの新しい動きを実現できる仮説的デバイス(「マルチプルアクション型車椅子」と呼ぶ)の制作、3)マルチプルアクション型車椅子と4種類の既存車椅子及び健常歩行との動きやフィーリングの違いについての比較検証。 この動きやフィーリングの違いを検証するために、3次元測定装置による測定及びプロトコール・データの収集・解析を行った。 この研究から、運動軌跡、加速度、また人の感じかたなどについて、顕著な違いがあることが発見できた。その結果から、高い運動実感を生む移動機器には、スムーズで滑らかな動きと、キビキビと小回りのきく動き、そして残存能力である上肢の動きを最大限に生かす機能が必要であることが考えられた。
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[Publications] 蓮見孝,西尾浩一,永田可彦,甲田壽男,白井博康: "下肢障害者の運動実感に関する研究(2)"感性評価構造モデル構築特別プロジュクト研究報告集2000. 4(編集中). 10 (2001)
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[Publications] 蓮見孝,西尾浩一,永田可彦,甲田壽男,白井博康: "下肢障害者の運動実感に関する研究(1)"感性評価構造モデル構築特別プロジュクト研究報告集2000. 4(編集中). 7 (2000)
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[Publications] 西尾浩一,永田可彦,福田修,蓮見孝,甲田壽男: "電動車椅子を利用した事務作業の運動解析"バイオメカニズム学会、第21回バイオメカニズム学術講演会SOBIM2000講演予稿集. 123-126 (2000)
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[Publications] 蓮見孝,西尾浩一,永田可彦,甲田壽男,白井博康: "マルチプルアクション型車椅子の試作と実験計画-下肢障害者の運動実感に関する研究その(1)"日本デザイン学会・第47回研究発表大会概要集. 214-215 (2000)
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[Publications] 蓮見孝,西尾浩一,永田可彦,甲田壽男,白井博康: "動作解析とプロトコル抽出とよる運動実感の測定-下肢障害者の運動実感に関する研究その(2)"日本デザイン学会・第47回研究発表大会概要集. 216-217 (2000)
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[Publications] 西尾浩一,内田拓也,蓮見孝,永田可彦,本間敬子,福田修,甲田壽男: "電動車椅子を利用した事務作業の運動解析"工業技術院機械技術研究所 研究発表概要. 33-33 (2000)