1999 Fiscal Year Annual Research Report
適正な色彩情報設計をめざした色探索特性の定量評価法の開発
Project/Area Number |
11832014
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 泰一郎 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90232305)
|
Keywords | 色彩環境 / 色情報 / 視覚探索 / 視環境 |
Research Abstract |
高度に複雑化した今日の生活環境では,色が情報を伝達するための手段として様々なかたちで活用されている。このような色情報を適正に活用し,人と環境の良好なインターフェイスを実現するためには,色彩認知,視覚探索など,人の心理行動特性に対する科学的な理解に立脚した評価と設計が不可欠である。本研究課題は,一般の色彩環境における色ターゲットの視覚探索効率の定量的な評価手法の開発とその有効性の検証を目的としている。平成11年度の研究の概要を次にまとめる。 (1)実験:色標識の検出効率と背景の色彩環境の関係 現実の光景の中から特定の色標識を探索する実験を行い,その探索効率が背景の色彩環境とどのような関係を持つのか検討した。ターゲットとした対象は,都市の街路における交通標識,駅などの公共建築物における避難誘導灯の2種類である。実験は,これらのターゲットを含む場面を撮影したスライドの画像を用いて行った。その結果,色ターゲットの探索には背景の色彩環境が強く影響することが明らかになった。また,背景の色彩環境の影響は,我々が従来の研究で提案した空間的な色のちらばりの程度を表現するための指標(色彩分散度)と高い相関をもつことも示された。しかし,一般のターゲットの探索には,標識の形や大きさなどの属性,あるいはターゲットが置かれた場面の文脈なども影響も大きく,実用的な評価モデルの開発のためには,これらの要因に対する処理を考慮する必要があることが分かった。 (2)色彩環境分析法の開発 色情報の観点から色彩環境を分析するため,色のカテゴリー領域の測定データをベースとした分析システムを開発した。これによって広範囲な照度レベルにおける色彩環境の評価も可能となる。
|