1999 Fiscal Year Annual Research Report
製品デザインにおける様式の枠組みとその生成に関する研究
Project/Area Number |
11832020
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
古屋 繁 拓殖大学, 工学部・工業デザイン学科, 助教授 (40209193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 芳彰 拓殖大学, 工学部・工業デザイン学科, 助手 (40286935)
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Keywords | 様式 / 製品カテゴリ / 変化の典型 / 主成分分析 / 数量化III類 |
Research Abstract |
本研究では,類型化によって形成される製品カテゴリとその構造に注目し,「乗用車」「バイク」「携帯電話」を事例にあげ,以下の3点について考察した。 (1)基礎的な製品カテゴリの抽出 (2)それらが時系列でどのように生成してゆくのか,時系列的な変化の特徴である「変化の典型」として表現 (3)変化の要因となった社会的背景における影響を変化の「力」と,相対的な位置との関連を「方向」の観点から考察 「乗用車」「バイク」では,製品カテゴリがどの様に生成されているのか,または変化しているのかを明らかにした。ここでは,製品計画の段階で決定が先行する主要諸元に着目して調査を行った。同様にとくに発展がめざましい「携帯電話」では,形状の特徴からな類型化の傾向を明らかにした。 これから調査により,カテゴリの普遍化に関して以下のことがわかった。 ・カテゴリは「変化の典型」を重ねてゆくことによって,よりその要素を普遍的にしていく。 ・「変化の典型」の選択はカテゴリ同士の相対的な位置関係と,「変化を促す力」と「不変であろうとする力」の割合によって決定する。 ・「変化を促す力」と「不変であろうとする力」との割合は,その分野に関する成熟度や知識量によって左右される。 したがって,変化の状態であるそのプロセス自体が普遍的要素を生むといえ,一概には「不変」の典型だけが決定した形式を持っているとは言い切れず,「変化の典型」よりプロセスを説明すると,まず既存のカテゴリから「分化(派生・細分化)」を行い,そして増えたカテゴリは淘汰され「同質化」に向かい,より的確な方向が選択されることがわかった。また,それらは元に戻り「分化」を行って,新しいカテゴリを生み,そして「不変」の典型はその形式を強化しており,このような変化がスパイラル状に繰り広げられ,順を追って続いて統一のあるカテゴリを随時築いていくことがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高岡 健、古屋 繁: "「乗用車」における製品カテゴリの生成に関する研究"デザイン学研究第46回研究発表大会概要集. 228-229 (1999)
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[Publications] 高岡 健、古屋 繁: "「情報機器」における製品カテゴリの変遷に関する研究"デザイン学研究第46回研究発表大会概要集. 278-279 (1999)
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[Publications] 工藤 芳彰、宮内 〓: "1890年代の「スチューディオ」誌掲載日本特集記事におけるジャパン・ソサイエティの役割"デザイン学研究. 46・5. 17-24 (2000)