2001 Fiscal Year Annual Research Report
チビアシナガバチ属(Ropalidia : スズメバチ科)の自然史と多様性
Project/Area Number |
11833001
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小島 純一 茨城大学, 理学部, 教授 (00192576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 浩治 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00252122)
北出 理 茨城大学, 理学部, 助手 (80302321)
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Keywords | チビアシナガバチ属 / スズメバチ科 / 自然史 / 生物多様性 / 社会性進化 / 系統関係 / 分類 / 塩基配列 |
Research Abstract |
チビアシナガバチ属(Ropalidia)は約180種を含み、種数だけでなく社会性ならびに営巣習性においても多様である。本属における社会性や行動の進化と多様性創出機構を系統関係に基づいて考察を加えるのに必要な基礎データの蓄積と解析を中心に以下の研究を行った。 (1)チビアシナガバチの分化、多様化の中心であると考えられるニューギニア(未記載種を含めて50種)とマダガスカル(未記載種を含めて37種)の種について分類学的整理を完成させ、発表論文(レビュー)としてまとめている。 (2)オーストラリア産分巣種Ropalidia romandiのコロニーにおける女王・ワーカー間の外部形態カースト分化について、これまでの解析で用いた12コロニーには欠けていた創設初期のコロニー2巣を採集した。計測ならびに解析を現在進めている。また、外部形態カースト分化の統計的解析法について検討を加えた。 (3)コロニー内血縁構造を解析するために必要なマイクロサテライト領域のプライマーを、多数のコロニーが集合営巣するオーストラリア産のR.plebeianaについて開発し、コロニー内の個体間血縁関係ならびに集合して営巣しているコロニー間での創設メスの由来関係を明らかにするために、分析を進めている。また、スラベシ島固有のR.plebejaのコロニー内成虫・未成熟固体の構成を調べ、本種がほぼ単独性であることを明らかにした。 (4)1.18の形態・行動形質、104種からなるマトリックスを作成し、分岐分析の手法を用いて系統関係を推定した。その結果、30の種群を認め、R.loriana種群が残りの29種群からなる単系統群の姉妹群となることが明らかになった。この30種群を網羅する形で、DNAシークエンス解析用の試料を蓄積した。現在までに20種についてCOI遺伝子600塩基、16sRNA DNA約800塩基について配列を読み取った。
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[Publications] KOJIMA, Jun-ichi: "A critique of variable reduction methods to analyze morphological caste differences in Social wasps"Journal of the New York Entomological Society. 108. 332-338 (2001)
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[Publications] KOJIMA, J., Hartini, S., Kahoro, S., Fujiyama, N., Katakura, H.: "Males, mature larvae, and nests of Ropalidia plebeja, a nearly solitary paper wasp endemic to Salawes : with faxonemic notes on the R.plebeja group"Species Diversity. (印刷中). (2002)