2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11834006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中岡 保夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (90029562)
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Keywords | 磁場影響 / ゾウリムシ / 定常磁場 / 反磁性 / 繊毛 / 膜電流 / 蛋白 |
Research Abstract |
強い定常磁場(0.7T)の中にゾウリムシを置くと、ゾウリムシは磁場と垂直方向に泳ぐことを見つけた。磁場中の泳ぎを詳しく観察すると、はじめ磁場と垂直方向ではない向きに泳いでいるゾウリムシは磁場と垂直方向に向かうまで徐々に向きを変え大きな円弧を描いて泳ぐことが確認された。そこでこのような磁場に対する応答はゾウリムシ細胞のどのような特性に起因するのかを検討した。まず細胞膜をよぎる電流が原因となって磁場からの力を受けているかどうかを知るために、細胞膜を界面活性剤で部分的に壊し細胞膜をよぎる電流が発生しない状態にした後ATPを与え泳ぎを再活性化させた細胞モデルを作成した。このモデルを磁場中に置くと磁場に応答し磁場と垂直方向に泳いだ。したがって細胞膜をよぎる電流が磁場に対する応答の原因とは考えられない。つぎに細胞内器官がもつ反磁性的性質が原因となっているかどうかを検討した。反磁性は、蛋白、核酸などが規則的に配列した構造を形成している場合に発生する力が大きくなるとされている。そこで規則的配列を持つ細胞内器官として、大核、繊毛、トリコシストについて検討した。トリコシストは刺胞の一種で、刺胞内部は蛋白が準結晶状に配列しており細胞外に射出されると蛋白が配列様式を変え数倍の長さに伸長する。各々を細胞から取り出し分画、精製したものを磁場中に置いてみた。その結果、大核は磁場によって配向しなかったが、繊毛とトリコシストはその長軸を磁場と平行の方向に配向することが分かった。繊毛、トリコシストはゾウリムシの表面膜に1万個ほど分布しておりその大部分は細胞長軸に対して垂直方向に向いている。したがって多数の繊毛、トリコシストが磁場と平行に並ぶような反磁性が発生すると、ゾウリムシは磁場に対して垂直に泳ぐことになる。ゾウリムシの定常磁場に対する応答は基本的に細胞内器官の反磁性的性質に起因することが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Oka,T.: "Differentiation of rat thymic myoid progeritor cell line established by coculture with human T-lymphotropievirus"Cell Tissue Res.. 300. 119-127 (2000)
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[Publications] Murata,T.: "Prostaglardin I_2, a possible thermp-sensory medcator in Paramecium"Biochem Biophys.Res.Commun. 273. 516-520 (2000)
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[Publications] Nakaoka,Y.: "Effect of a 60Hz magnetic field on the behavior of Paramecium"Bioelectromagnetico. 21. 584-588 (2000)
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[Publications] Iwamoto,M.: "Activation of prostacyclin synthesis by mechanical stimulation in the ciliated protozoan Tetrahymena"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 275. 635-638 (2000)