1999 Fiscal Year Annual Research Report
微弱エネルギーの園芸利用とそのメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
11834011
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
橋永 文男 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70038222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 直樹 山口大学, 農学部, 教授 (60166577)
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Keywords | 高圧電場 / ユズ果実 / ペルオキシダーゼ / 緑色保持 / ホウレンソウ / 乾燥促進 |
Research Abstract |
ホウレンソウの乾燥:高圧電場(HEF)処理で水分蒸発が顕著に促進されることが明らかになってきたので、ホウレンソウを用いて乾燥促進について研究した。常温、加熱乾燥器及びHEFの3種類の方法によって乾燥した結果、HEF乾燥(7時間)は常温の対照区と比較して4倍以上の速さで乾燥した。また貯蔵した乾燥品の成分を測定するとクロロフィルの含量は常温乾燥区にくらべて1.5倍多く保持し、またビタミンCでは常温区の2倍、加熱乾燥の3倍もの還元型ビタミンCを含むこと、逆に酸化型のビタミンCの割り合いは他の処理に比べて少ないことを明らかにした。これらの研究成果については8月にある国際学会で発表の予定である。 ユズ果実の緑色保持と分解機構:ユズ果実の貯蔵の方法として高圧電場処理を行い、温度を変えて貯蔵した結果、0℃と30℃が無処理区より緑色を保持していた。HEF処理の貯蔵果実の糖、有機酸、ビタミンCの組成を測定したが変化はなく、ビタミンCだけはHEF処理の方が少なく、熟度が抑えられたことが分かった。つぎに緑色ユズ果実のクロロフィル分解におけるフラボノイド酸化の関与について調べた結果、ナリンギンの存在下でペルオキシダーゼにより、クロロフィルを分解した。ユズ果実はウンシュウミカン果実とは異なり、ヘスペリジンの酸化によるクロロフィルの分解は見られなかったが、ナリンギンとヘスペリジンを混合させたときはナリンギンの場合より顕著にクロロフィルを分解した。またスーパーオキシドだけではクロロフィルの分解はほとんど生じないことが分かった。したがって、ペルオキシダーゼによって生じたナリンギン・ラジカルがクロロフィル分解に関与していることが推定された。また高圧電場処理した水の分析をイオンクロマトグラフを用いて研究中である。
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