2000 Fiscal Year Annual Research Report
超低周波電磁界が生体リズム生成機構に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
11834012
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
樋脇 治 広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (30264948)
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Keywords | 磁場 / 視交叉上核 / 概日リズム / 超低周波 |
Research Abstract |
平成12年度では、体内時計の中枢である視交叉上核で生成される概日リズムに対する超低周波磁場の影響についてラットを用いて検討を行った。超低周波磁場のなかでも商用周波数である50Hzの磁場を用いて実験を行った。また、特に磁場の方向が概日リズムに与える影響に着目し、固定したラットに対して3方向の50Hz磁場を曝露する実験を行った。 実験に用いたWisterラットは、2週間以上L:D=12:12(午前6時点灯、午後6時消灯)の照明環境において飼育を行い、体内時計の調整を行った。実験を行う3日前にラットの視交叉上核にタングステン双極微小電極を挿入する手術を行った。実験は、午後6時から開始し、恒暗の状態にした磁気シールドルームの中に設置した均一磁場発生装置の中央に固定器を用いてラットを固定し、パーソナルコンピュータを用いて磁場の制御と視交叉上核の電気的活動の計測を行った。まず、対照実験として、地磁気と同じ大きさの静磁場のみを鉛直下向きに曝露した実験をおこなった。周波数50Hzの磁場を曝露する実験では、実験開始後2日目に50Hz磁場を24時間ラットに曝露した。ラットに対して鉛直方向、体軸方向、左右方向の3通りの方向に磁場を曝露した実験を行い、実験開始後4日間の視交叉上核の電気的活動を計測した。 対照実験では、視交叉上核の電気的活動には約24時間を周期とする概日リズムが観察された。鉛直方向に50Hz磁場をラットに曝露した実験では、視交叉上核の電気的活動の概日リズムには、磁場曝露中、曝露後ともに曝露前と差は見られなかった。しかしながら、50Hz磁場を体軸方向、左右方向に曝露した実験では、曝露中は概日リズムに変化は見られなかったが、磁場曝露を行った次の日に最大で約4時間概日リズムの位相の遅れが観察された。
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Research Products
(1 results)