2001 Fiscal Year Annual Research Report
超低周波電磁界が生体リズム生成機構に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
11834012
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Research Institution | HIROSHIMA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樋脇 治 広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (30264948)
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Keywords | 磁場 / 視交叉上核 / 概日リズム / 超低周波 |
Research Abstract |
平成13年度では、哺乳類のリズム生成中枢である視交叉上核の電気的活動が表す概日リズムに対して超低周波磁場がどのような影響を及ぼすのか調べた。視交叉上核における概日リズムは網膜での光刺激に大きな影響を受けるため光の影響がない条件における超低周波磁界の視交叉上核の活動性への影響について検討した。 実験には、Wisterラッ,トを用いた。飼育業者から購入した7週齢のラットを体内時計の調整を行うためにL : D=12:12(午前6時点灯、午後6時消灯)の照明環境中で3ヶ月以上飼育を行った。磁場照射実験を行う2週間前にラットの視交叉上核にタングステン双極微小電極を挿入し、デンタルセメントで電極を固定する手術を行った。手術後、ラットは恒暗の部屋で飼育を行い、時間情報を与えず、体内時計がフリーランしている状態にした。手術した日から2週間後、恒暗の状態にした磁気シールドルーム内にラットを移し、シールドルーム内の均一磁場発生装置の中央にアクリル製の固定器を用いてラットを固定した。磁場照射ならびに視交叉上核の電気的活動の計測は、コンピュータを用いて自動的に行った。対照実験では、ラットに超低周波磁場の曝露は行わなかった。超低周波磁場(周波数50Hz)の磁場を曝露する実験では、視交叉上核の電気的活動が概日リズムを示すことを確認した後、24時間超低周波磁場の曝露を行った。 対照実験では、約1週間に渡って視交叉上核の電気的活動に約24時間を周期とする概日リズムが観察された。また、超低周波磁場を曝露する実験においても磁場を曝露する前および曝露中は、対象実験と同様に視交叉上核の電気的活動に概日リズムが観察された。しかしながら、超低周波磁場を曝露した次の日に視交叉上核の電気的活動のリズムは大きく乱れ、概日リズムが消失することが観察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 樋脇治, 桑野博史: "Estimation of Threshold for Peripheral Nerve Excitation in Respect of Geometry of Figure-of-Eight Coil in Magnetic Nerve Stimulation"IEICE Trans. Inf. & Syst. Vol.E85-D N.1. 184-189 (2002)
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[Publications] 樋脇治, 桑野博史: "Properties of Peripheral Nerve Excitation in Respect of Location of Coil for Magnetic Nerve Stimulation"Proc. of the 23rd Ann. Conf. IEEE-EMBS. Vol.23. 1-4 (2001)