2000 Fiscal Year Annual Research Report
機能的電気刺激(FES)による核上型神経因性膀胱の尿失禁・尿排出機能再建
Project/Area Number |
11835004
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
半田 康延 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00111790)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤居 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70302122)
浪間 孝重 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70282069)
|
Keywords | 機能的電気刺激 / 神経因性膀胱 / 排尿障害 / 尿失禁 / 陰部神経 / 尿道括約筋 / ブロック刺激 |
Research Abstract |
本研究は、仙髄前根を電気刺激する際に生じる排尿筋括約筋協調不全の問題を克服して蓄尿・排出動作を機能的電気刺激(FES)単独で再建することを目的としている。 高周波数刺激による横紋筋性尿道括約筋のブロック:昨年度の刺激周波数による横紋筋性尿道括約筋の反応性の検討に引き続き、より高い周波数刺激に対する横紋筋性尿道括約筋の反応性を吟味してブロック刺激の可能性を検討した。雑種成犬を用いて、5Hz、50Hz、300Hz、3000Hzで片側陰部神経を刺激したところ、5Hzでは単収縮が、50Hzでは100%のfusion indexが得られ5秒の刺激時間では、尿道内圧の低下は認めなかった。300Hzの刺激では明らかな疲労性の圧低下が観察されたが尿道内圧は0cmH2Oには至らなかった。3000Hz刺激では刺激の開始と終了時にスパイク状の圧上昇を認めたが、刺激中は尿道内圧は全く上昇せず、いわゆるparalytic効果が得られた可能性が示唆された。そこで、片側陰部神経の2箇所に電極を装着して、二重刺激法によるブロック刺激の可能性として条件刺激として3000Hz刺激を加えた場合と加えなかった場合での、50Hz刺激に対する尿道内圧の変化を検討することとした。当初、3000Hzの条件刺激を行うことで、横紋筋性尿道括約筋の神経筋接合部での伝達物質の枯渇により50Hz刺激による尿道内圧の上昇が抑制されることが予想された。 しかし、結果は3000Hzの条件刺激は50Hz刺激に対する尿道内圧反応に何ら影響を与えなかった。その理由として、Paralytic effectを期待したが、矩形は刺激では神経線維の周囲組織が低周波フィルターの役割を果たして、矩形の刺激波の直流成分がカットされたため神経組織に対して3000Hzの刺激が行われなったためと考えられた。これを解決するためには、刺激波形を正弦波として行う方法が考えられた。 本研究期間には、この実験は行えなかったが、今後検討を続けていく予定である。
|