1999 Fiscal Year Annual Research Report
機能回復訓練及び日常労作が肢体不自由者の呼吸循環応答に及ぼす影響
Project/Area Number |
11835005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
樋渡 正夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20189898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 徳太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70004687)
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Keywords | 肢体不自由 / 運動様式 / 酸素消費量 / 脳卒中 / 心筋梗塞 / 皮膚血流 / 心拍変動 |
Research Abstract |
1,運動の種類・強度と酸素消費量・疲労度等との関連性 四肢の機能障害では、患肢を使用する動作遂行時に効率が低下し、呼吸循環系に対する負荷を増加させると考えられるが、運動の種類、様式との関連性については不明な点が多い。そこで、運動負荷様式が異なる場合の酸素消費量と疲労度を検討した。運動負荷を連続して行った場合と間歇的負荷とした場合では、筋肉の回復時間が与えられない連続負荷で、酸素消費量・疲労度が大きくなる傾向であった。また、等張性運動と等尺性運動との比較では、負荷強度がそれほど高くなければ酸素消費量には大きな差がなく、等尺性運動が等張性運動より心肺系に強い負荷をかけやすいというこれまでの報告は、低強度負荷では必ずしも当てはまらないことがわかった。 運動負荷時に測定した血清ヒポキサンチンの変化から、組織障害を推定する指標として、血清ヒポキサンチンが有用である可能性が示唆された。 2,脳卒中片麻痺患者の皮膚血流変化 脳卒中片麻痺患者において、寒冷刺激等による皮膚血流変化を推定したところ、刺激が患側・健側のいずれに与えられるかにより、皮膚血流反応が異なることが明らかとなったが、末梢の反射系は他の検査で反応性に差異がないことから、片麻痺患者では中性を介する反射系の一部に調節異常が存在する可能性が示唆された。 3,心筋梗塞患者のリハビリテーション 急性心筋梗塞患者に嫌気性代謝閾値レベルでの運動療法を指導し、発症直後と6カ月後の心拍変動について検討したところ、安静時の副交感神経活動亢進、負荷時の交感神経活動抑制、心拍応答の速応性改善を認めた。運動療法を継続できなかった患者ではこのような変化が認められないことから、運動療法効果の判定に、心拍変動を利用できることが明らかとなった。 また、回復期に心臓リハビリテーションを施行することで、心理面での不安等に改善が認められることも明らかになった。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Saiki S.,Hiwatari M.et al.: "Changes in serum hypoxanthine levels after walk loads at mild to high intensity in healthy humans"Tohoku J Exp Med. 188. 61-69 (1999)
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[Publications] Saiki S.,Hiwatari M.et al.: "Relation between changes in serum hypoxanthine levels by exercise and daily physical activity in the elderly"Tohoku J Exp Med. 188. 71-74 (1999)
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[Publications] Yoshida T.,Hiwatari M.et al.: "Physical and psychological improvements after Phase ll cardiac rehabilitation in patients with myocardial infarction"Nursing and Health Science. 1. 163-170 (1999)
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[Publications] 小野玲、樋渡正夫 ほか: "サッカー選手の基礎体力-中学生と高校生選手について-"東北理学療法学. 11. 12-17 (1999)
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[Publications] 樋渡正夫、渡辺美穂子 ほか: "呼吸機能障害患者のリハビリテーション"治療. 81. 1010-1011 (1999)
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[Publications] 神本昌宗、樋渡正夫 ほか: "糖尿病のみかた"臨床リハ. 8. 630-634 (1999)
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[Publications] 樋渡正夫、吉田俊子 ほか: "回復期(phase II)心筋梗塞患者の運動プログラム"臨床リハ. 9. 162-166 (2000)
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[Publications] 樋渡正夫、吉田俊子 ほか: "心筋梗塞患者における起立負荷試験時の心拍変動-心臓リハ効果判定への応用-"心臓リハビリテーション. (印刷中).
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[Publications] 山本千登勢、樋渡正夫 ほか: "脳血管障害に伴う片麻痺患者の皮膚交感神経機能の左右差について"日本理学療法学会誌. (印刷中).
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[Publications] 樋渡正夫: "リハビリテーション医学テキスト"南江堂. 357 (2000)
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[Publications] 樋渡正夫: "運動障害のリハビリテーション"南江堂(印刷中).
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[Publications] 樋渡正夫: "看護のための最新医学講座 第7巻"中山書店(印刷中).