2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能回復訓練及び日常労作が肢体不自由者の呼吸循環応答に及ぼす影響
Project/Area Number |
11835005
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
樋渡 正夫 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20189898)
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Keywords | 脳梗塞 / 機能回復 / 脳CT画像 / 運動負荷 / 睡眠 / 心拍変動 |
Research Abstract |
1.脳梗塞発症初期のCT画像と上肢機能の関連性について 脳梗塞患者の発症初期のCT画像から上肢機能の回復レベルを予測することは、患者の機能回復訓練の内容や方法を決定する上で、極めて重要である。34名の脳梗塞患者で発症初期のCT画像と上肢機能の最終回復レベルを検討した結果、内包後脚部の病巣範囲ならびに梗塞のサイズと上肢機能の回復レベルが逆相関することが明らかにされた。したがって、脳梗塞発症初期の段階でのCT画像において内包後脚部に一定以上の大きさの梗塞を有する患者では、訓練時の過剰なストレスが心肺系に過負荷となる可能性が示唆された。 2.高齢者運動負荷時の心拍変動について 高齢者で軽度の片麻痩を有する脳梗塞患者に、自転車エルゴメーターを用いて軽度、中等度の運動負荷を行った際の心拍変動を解析した結果、いずれの強度でもほぼ同様の反応が認められ、運動時に副交感神経系の抑制と交感神経系の興奮が認められたが、軽度の負荷の方がその変化は小さい。このことは、高齢者の訓練時における呼吸循環応答が、軽強度の運動でも刺激されていることを意味しており、心肺系のfitnessレベルを向上させるには必ずしも、強度の高い運動が必要でない可能性が示唆される 3.睡眠と自律神経活動の関連性について 睡眠をとらない状態での運動負荷試験を若年健常者で行った結果、睡眠を十分とった時よりわずかに交感神経系の活動が亢進する程度であった。しかし、この成績だけから高齢者や片麻痺患者で睡眠不足状態でも、安全に機能回復訓練を施行できるとはいえず、むしろ若年健常者でさえ交感神経活動が亢進しやすい状況になると解釈される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Sato S.et al.: "Method to improve cosmetic outcome following craniotomy"Neurol. Res.. 23. 1-4 (2001)
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[Publications] 樋渡 正夫: "CVAの最前線"理学療法科学. 16. 1-3 (2001)
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[Publications] 西田 裕介 ほか: "循環反応から見た等尺性運動を主体とするサーキット・ウェイト・トレーニングプログラムの安全性に関する研究"理学療法学. 28. 262-267 (2001)
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[Publications] 樋渡 正夫 ほか: "高齢者スポーツ"Med Reha. 15. 7-14 (2002)
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[Publications] 西田 裕介 ほか: "慢性期脳血管障害患者における自立神経活動の評価"理学療法科学. 16. 191-196 (2002)
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[Publications] 永井 良三 ほか: "循環器研修医ノート"診断と治療社. 1061 (2001)
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[Publications] 樋渡 正夫 ほか: "内科医のためのリハビリテーション"診断と治療社. 532 (2002)