1999 Fiscal Year Annual Research Report
眼球運動画像検出型コミュニケーションシステムの実用開発
Project/Area Number |
11835013
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
千島 亮 信州大学, 医療技術短期大学部, 講師 (80252112)
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Keywords | 眼球運動 / コミュニケーションシステム / 眼球運動検出 / 眼球運動画像検出装置 / リハビリテーション工学 / 作業療法 / 光ファイバケーブル / ALS |
Research Abstract |
本年度は以下の4つの項目に主眼を置いた研究を進めた. 1:画像計測記録システムの整備と,患者,健常者の画像データ収集・編集 研究の趣旨に賛同が得られた3名の患者(ALS患者2名,SCA患者1名)及び健常者を対象とし,眼球内外転時の画像記録をDVレコーダで整理した.パーソナルコンピュータに取り込んだ内外転時の静止画像を解析するシステムを構築した. 2:画像の解析と出力信号として有用な輝度情報の検討 得られた画像情報を基に,光ファイバーを介して得られる輝度情報を光パワーメータとデジタルオシロスコープを介してデータレコーダに記録して解析した.その結果,コミュニケーションシステム操作に有効な検出条件が確認された. 3:インターフェイスの設計・作製と検出部の検討 インターフェイスの回路設計を進めるにあたり,画像上の瞳孔・角膜部と強膜部の別を検出する光ファイバについてその材質・種類を検討した.システム開発上の実用検出部には扱いやすいCdSセルを試験的に用い,2ch検出が可能で2信号出力端子を設けた眼球検出装置を設計してプロトタイプを作製した.また吸盤を用いた検出先端部の試作検討を行った. 4:頭頚部移動に伴う眼球の適性撮影範囲の捕捉機構を検討 眼球撮影部位の正確な検出エリアを常時確保できるAuto Target Trachingの機構を応用し,追尾駆動機構について検討したが小型CCDの望遠機構に改良を加え,追尾速度の向上が課題となった. 以上の結果から,CRT蛍光面上の角膜・瞳孔部と強膜部の輝度変位を任意固定した光センサで検出できる出力インターフェイスのプロトタイプが完成した.次年度は臨床場面において本装置を試用し,重症な障害を持つ神経筋疾患患者(患児)を対象としたコミュニケーション周辺機器の操作性とシステムの有用性を検討する考えである.
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[Publications] 千島 亮 他: "非接触型眼球運動検出方法を用いたコミュニケーションシステム開発への試み(第一報)"作業療法(日本作業療法学会誌). 18・巻Suppl. (1999)
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[Publications] 千島 亮 他: "非接触型眼球運動検出によるコミュニケーション支援機器の研究"医用電子と生体工学(日本ME学会誌). Vol.13/12. 345 (1999)
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[Publications] 千島 亮 他: "非接触型眼球運動検出によるコミュニケーションシステムの臨床導入"作業療法(日本作業療法学会誌). 19・巻Suppl. (2000)