2000 Fiscal Year Annual Research Report
長期脊髄損傷者における内臓脂肪蓄積肥満の機序と予防策の検討
Project/Area Number |
11835017
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
今井 香織 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (60193645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
池田 敏 岡山大学, 医学部, 教授 (60151289)
吉良 尚平 岡山大学, 医学部, 教授 (50033212)
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Keywords | 脊髄損傷 / 内臓脂肪 / 肥満 / リハビリテーション / 高血圧症 / 糖尿病 / マルチプル・リスクファクター |
Research Abstract |
長期脊髄損傷者においては、広範囲にわたる麻痺と身体活動性の低下により、早期に加齢現象が進行する傾向が指摘されており、その予防が健康管理上の課題である。具体的には、インスリン抵抗性の亢進により、耐糖能異常、高血圧症を来たしやすい。また、一見肥満には見えなくとも、内臓脂肪が蓄積しやすい傾向が存在する。そこで、インフォームドコンセントを行った上で、希望者に対し、ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)、ハンドエルゴメーターによる運動負荷試験、安静時と運動時の呼吸代謝(O_2、CO_2)分析、ホルター心電図による24時間心電図検査を行った。目標は、(1)マルチプルリスクファクターとしての糖尿病、虚血性心疾患のチェックを行う。(2)各個人の呼吸代謝機能と日常生活での心拍数を分析することによって、各人の安静時代謝量とエネルギー消費量を求める。(3)脊損者に共通の代謝特性を把握すると共に、栄養と運動の個人別処方箋の作成を試みる。 現在までの分析結果から、以下の結果が得られている。対象者は、日中はリハビリテーションを目的とした軽作業に従事しながら、バリアフリーの施設で共同生活をしている脊損者男性23名である。平均年齢は60.9歳歳である。平均BMIは21.6、体脂肪率は21.0%であった。GTTに関しては、糖尿病型3名、境界型5名、正常型11名、糖代謝異常が判明しており検査から除外した者3名であり、糖代謝異常を有する者の割合が高率であった。心電図は安静時心電図でST低下がもともと認められる者4名で、そのうち2名は運動負荷試験で虚血が確認された。今後は内臓脂肪蓄積の改善と予防の具体策に関して検討予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 今井香織,池田敏 他: "長期対痺者における肥満の特性"日本衛生学雑誌. 15-1. 422 (1999)
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[Publications] Imai Kaori,Ikeda Satoru et al.: "The risk and prevention of fructures in persons with long-term spinal cord injury caused by labor accidents"International congress on occupational health : abstracts. 26th. 654 (2000)