2001 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経への直線偏光型近赤外線照射の疼痛制御について
Project/Area Number |
11835018
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宗重 博 広島大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40211601)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下瀬 省二 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30304439)
|
Keywords | 直線偏光型赤外線 / 反射性交感神経性ジストロフィー / 疼痛制御 / Bennettモデル / 鎮痛効果 |
Research Abstract |
反射性交感神経性ジストロフィーの動物モデル(CCI)であるBennettモデルを作成する。痛覚過敏はradiant heat testによる熱刺激とvon Frey hairによる圧刺激により二通りの評価をする。まず、CCI作成後1週間経過して痛覚過敏となったラットのみを使用する.実験1として,直線偏光型近赤外線を1回照射し、その後の経過を観察する。実験2として,1週間または3週間、毎日直線偏光型赤外線を照射しその後の経過を観察し、回復効果の有無を検討する。実験3として,CCI作成後7日から13日まで7日間連続で1日1回照射した.CCI作成後11,14,18,21,28,35,49日に圧テストを行った. 実験1において,照射後1,3,8時間で照射群と非照射群の群間比較で有意差が認められた.つまり、直線偏光型近赤外線を1回照射すると、照射後1時間から8時間までは痛覚過敏を有意に緩和したが、照射12時間後には、その効果は消失した.実験2において,非照射群で右足の潜時から左足の潜時を引いた時間が経過とともに徐々に低下している.繰り返す熱テストそのものが刺激となり痛覚過敏が増悪したからであろうと推測している.また,1週間照射群,6週間照射群ではともに非照射群よりも有意に痛覚過敏が軽減しており,これは直線偏光型近赤外線の連続照射によりCCIの痛覚過敏の回復が促進されたことを意味する.さらに1週間照射群より6週間照射群において結紮後18日で痛覚過敏の程度が軽かった.これはCCIにおいて直線偏光型近赤外線を照射する場合には,長期間照射した方がより効果的であることを意味する.実験3において,圧テストでは効果が認められなかった.この理由は不明である.照射群と非照射群の群間比較において有意差はなかった.つまり圧テストによる評価では7日間連続で直線偏光近赤外線を照射しても、触覚過敏の回復は促進されなかった.
|
-
[Publications] 宗重 博: "反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)"Orthopaedics. Vol.13No.9別冊. 216-220 (2000)
-
[Publications] 馬 殿麗: "慢性落痛モデルにおける腰部交感神経節近傍への直線偏光近赤外線照射の鎮痛効果"運動・物理療法(J. Physical Medicine). Vol.11No.2. 100-104 (2000)
-
[Publications] 宗重 博: "難治性疼痛(complex regional pain syndrome)の基礎と臨床"痛みと臨床. Vol.3no.3別冊. 244-253 (2001)
-
[Publications] 麻生智洋: "非直線偏光近赤外線照射の透過性"国際電気生理学会. 635-637 (2000)