1999 Fiscal Year Annual Research Report
頭部外傷の認知・コミュニケーション障害の評価法開発に関する研究
Project/Area Number |
11835033
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
藤田 郁代 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (70285980)
|
Keywords | 脳外傷 / 頭部外傷 / 認知障害 / コミュニケーション障害 / 脳外傷評価 / 神経心理学的評価 / コミュニケーション評価 / データベース |
Research Abstract |
脳外傷患者の認知・コミュニケーション障害の評価法を開発することを目的として、下記の実険的研究および臨床デ一タの解析研究を行い、「脳外傷の認知コミュニケーション評価票」の評価項目の選定および談話機能に関する下位検査(試案)の作成を行った。 1.「脳外傷の認知コミュニケーション評価票」の評価項目の選定 脳外傷患者16名に、各種神経心理学的検査を3〜6ヶ月間隔で実施し、認知障害の特徴を分析した。その結果、脳外傷では意織、自己意識、注意、情動、記憶、知能、遂行機能の障害が特徴的であり、これらの評価項目を評価表に含む必要性が示された。さらに、脳外傷の病型、意識障害、外傷後健忘が認知障害のパタン・重傷度・経過と関連する可能性が示され、神経画像情報と併せて評価票のデータベースに含むこととなった。 2.談話機能に関する実験的研究に基づく「談話機能検査(試案)」の作成 脳外傷患者にユーモア表現に関する実験を行い、コミュニケーション障害の特徴を分析した。被験者は脳外傷患者5名、健常者28名であり、全被験者に談話実験を行った。さらに、脳外傷患者には、神経画像検査(MRI)および各種神経心理学的検査を実施し、ユーモア表現との関係を分析した。その結果、脳外傷患者は、健常者に比して事象を関連づける推測文の表出が少なく、ユーモア表現機能が低下していること、本障害には情報の統合を司る前頭葉の機能低下が関係する可能性が示された。結果を基に、談話機能に関する検査項目の選定と評価方法の検討を行い、下位検査の一つとして「談話機能検査(試案)」を作成した。
|