1999 Fiscal Year Annual Research Report
視運動刺激をトリガーとする顔面神経支配筋運動記録分析による新しい能高次機能検査法
Project/Area Number |
11835036
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
向野 和雄 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (60050473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井田 孝裕 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (30222730)
青木 繁 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (60146496)
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Keywords | 視運動刺激 / 顔面神経 / 反射性瞬目 / 片眼随意閉瞼 / 片側口すぼみ / 潛時 / 表面筋電図記録法 / 脳高次機能 |
Research Abstract |
水平に動く視運動刺激をトリガーとして顔面神経支配の眼輪筋の運動(反射性瞬目,片眼随意閉瞼,反対眼随意閉瞼-指標の動きと反対側の片眼随意閉瞼),口輪筋,口角挙上筋の運動(片側口すぼみ,反対側口すぼみ)をtaskとして行わせ,その潛時,左右の正確さを表面筋電図記録法で記録分析することで脳高次機能の臨床的検査法としての可能性を検討した.また訓練効果についても検討した. 先ず正常被検者11名(21-62歳),男女比4:7で記録分析した.反射性瞬目:潜時65±225msec;片眼随意閉瞼:右眼286±77msec,左眼300±68msec,方向間違い(正確性)0-8.8%;反対眼随意閉瞼:右眼351±58msec,左眼360±61msecで前者よりも長潜時であった.正確性0-17.6%;片側口すぼみ:右272±46msec,左281±60msecと利き手がわの潜時が短い.正確性は0-12.5%;反対側口すぼみ:右334±66msec,左345±78msecと前者より長潜時であった.正確性0-16.9%.以上より反対眼,反対側運動は同側性のそれより明らかに長潜時であり,正確性も低下する事が判明した.更に,11名の正常被検者(20-21歳,男:女=2:9)を対象に記録分析し,その練習効果についても11日目に再度記録検討した.潛時の練習効果は3群に分けられ,第1群はいずれも短くなり,更に反対側運動は同側運動より長潛時であった.第2群は練習効果は見られず,第1群とほぼ同様の潛時の差が見られた.第3群は練習で反射性瞬目を除く潛時は短縮し,すべての運動の潜時にほぼ差が見られなくなった.神経解剖学的には,運動野からの支配は眼輪筋については両側支配,一方口の筋群は交差性対側支配が確立している.今回初めてこの臨床的記録分析法で,これら支配筋の機能的支配の多様性を見ることが出来た.
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