2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11835040
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
角谷 直彦 東海大学, 医学部, 助手 (00236051)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊倉 穣 東海大学, 医学部, 助教授 (20217566)
古川 俊明 東海大学, 医学部, 助手 (30276852)
小山 裕司 東海大学, 医学部, 助手 (80266444)
石田 暉 東海大学, 医学部, 教授 (50118907)
|
Keywords | 脳血管障害 / 嚥下障害 / 嚥下音 / 舌骨上筋群の表面筋電図 / 周波数分析 |
Research Abstract |
嚥下障害者の咽頭期の嚥下音と舌骨上筋群の表面筋電図による嚥下評価 対象者は嚥下障害を呈した脳血管障害者20名と健康成人20名を被験者とし、インフォームドコンセントが得られた人である。脳血管障害者20名は、男性10名女性10名で平均年齢が69.5歳である。Control群である健常者20名は、男性2名女性18名となり平均年齢が26.6歳である。測定方法は頚部を軽度屈曲位にした座位姿勢にて液体(水:3ml,5ml,7ml)を飲み込んだ時の咽頭期嚥下音と舌骨上筋群の表面筋電図から嚥下障害に有用なparameterを検討した。 1.嚥下音は右側頚部に加速度心音トランスチュサーを装着し、増幅・A/D変換器を介してコンピュターに入力した。 2.下顎の舌骨上筋群の表面筋電図は大振幅部分を指標にして測定した。 parameterは舌骨上筋群の大振幅を呈する波形で1)持続時間、2)平均振幅、3)嚥下音の持続時間、4)舌骨上筋群の大振幅を呈した筋活動の開始から嚥下音の第II成分が出現するまでの時間、5)嚥下音の周波数特性をそれぞれControl群(健常者)と嚥下障害者で求め算出した。 1)舌骨上筋群の持続時間(msec)はControl群で442±0.19(3ml),605±0.85(5ml),430±0.19(7ml)となり、嚥下障害者は986±0.62(3ml),1100±0.60(5ml),823±0.63(7ml)と有意な遅延を示した。2)平均振幅はControl群と嚥下障害者の間で有意差がなく診断的な評価が困難であると考えられた。3)嚥下音の持続時間はControl群で平均500msec以内で嚥下障害者との間で有意差を認めた。4)筋電図と嚥下第II成分までの時間はControl群で平均240msec以内となり嚥下障害者では液体3ml,5mlの間で有意差を認めた。嚥下音の周波数特性では3ml,7mlの全域で有意な振幅の差を生じた。 嚥下音と舌骨上筋群の表面筋電図は嚥下障害を診断するのに有効であると考えられた。
|
Research Products
(2 results)