1999 Fiscal Year Annual Research Report
自立促進に向け着脱性・着心地に配慮した障害者服・高齢者服の設計 着用者の身体特性に着目して
Project/Area Number |
11835045
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
岡田 宣子 文化女子大学, 家政学部, 教授 (70160679)
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Keywords | 高齢者 / 障害者 / 着脱 / 関節 / 可動域 / 被服 |
Research Abstract |
被服着脱に関わる身体機能特性が何らかの形で障害されている人をリウマチ・片麻痺・ポストポリオ症候群・視覚障害などでグループ分けし、着脱動作特性から障害の程度に合わせて対応可能な被服条件を把握、体にやさしく着心地の良い被服構造を解明し、衣環境整備のための基礎資料としたい。 研究に関わる主要設備は重心動揺解析処理装置、被服圧測定・処理装置、データーレコーダー、非観血的連続自動血圧計、高感度前置増幅器とFASTRAK(関節角度の三次元測定器用)である。 1.質問紙予備調査として対面調査を行った。障害者の(1)衣生活意識、(2)障害状況、(3)障害に関する衣生活対応、(4)着用者の被服の好みを調べ、障害の程度や特性が、着脱姿勢、自助道具・その他の補装具も含め、衣服構造とどう関わるか個別に観察し、本人の扱いやすく好む衣服構造をみようとした。障害の型で様々な反応や回答があり、本調査を行うには今後かなり検討が必要であることがわかった。 2.身体測定予備調査で(1)身体計測項目、(2)身体諸機能について検討した。身体機能について、関節可動域・握力・タッピング・平衡能・可視境界範囲・体表可触範囲・血圧・心電図・ADLなどからとらえようと試みたが、予定していた事項について行うことが不可能なものが大変多く対策を考える必要がある。適切な測定項目の選定、実験方法の検討を今後さらに行い、身体基本特性と衣服構造との関わりをとらえたい。また発汗障害や皮膚感覚障害者の快適被服設計には、特に皮膚温・血流量など被服衛生学的把握が必要不可欠であるので、それらについても被験者の現状を把握したい。身体形態の測定は障害により個別対応を余儀なくされ、計測項目の厳選、計測の対応方法などかなり検討を要する。FASTRAKの測定法については、被験者のどこに基点を設定し測定点をどこにどう固定するかなど検討課題が山積している。また、データ処理(解析ソフトがない)に苦慮しており、今後これらの問題点を一つずつ解決しながら、当初の目的にできるだけ早く近づき結果を得たいと考えている。
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