2000 Fiscal Year Annual Research Report
自立促進に向け着脱性・着心地に配慮した障害者・高齢者服の設計
Project/Area Number |
11835045
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
岡田 宣子 文化女子大学, 服装学部, 教授 (70160679)
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Keywords | 身体機能 / 質問紙 / 高齢者 / 更衣動作 / 被服設計 |
Research Abstract |
被服着脱に関わる身体機能特性をとらえて、着用者が扱いやすく着心地のよい被服設計のための基礎資料を得ることを目的に、質問紙調査及び身体測定調査を計画した。研究に関わる主要設備は重心動揺解析処理装置、被服圧測定・処理装置、データーレコーダー、非観血的連続自動血圧計、高感度前置増幅器とFASTRAK(関節角度の三次元測定器用)である。 研究代表者が足部を骨折しギプス装着の身となり、当初の計画を大幅変更せざるを得なかった。可動を要求され、機器具運搬・操作など体力のいる個別対応の質問調査や身体測定は不可能なためあきらめ、可能な範囲の衣生活行動にかかわる調査を実施することとし、質問紙を急きよ作成準備し、アンケートのお願いをした。 1.質問紙調査を、老人クラブに所属する健常高齢者を対象に留め置き法で5月に実施し、6月に回収、データ整理及びデータ入力後、7月からコンピュータで順次解析を開始した。得られた有効回答数は、60歳代男子145名、女子153名の298名、70歳代男子132名、女子125名の257名、75歳代男子90名、女子120名の210名、80歳代男子94名、女子112名の206名で、合計971名である。また比較のために20歳代女子についても同様の調査を実施し157名の有効回答を得ており、有効回答総数は1128名である。現在もこれらデータを解析検討中であるが、更衣動作にかかわる質問48項目を用いた林の数量化III類による解析から興味ある結果が得られている。すなわち、身体機能にかかわる48項目の一軸と二軸のカテゴリーウエイトをプロットすると、各項目はU字型に分布することから、一次元に位置づけられると解釈され、身体機能の低下の度合いが一軸のカテゴリーウエイトにより順番づけられる。これは機能低下の見られる着用者へ対応するための被服設計に有効な資料となりうる。 2.身体測定調査は現在着手し始めたところで、今後の課題である。次年度にいろいろの問題点を一つずつ解決しながら、当初の目的にできるだけ早く近づき結果を得たいと考えている。
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Research Products
(2 results)