2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11835050
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Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health Sciences |
Principal Investigator |
本多 留美 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (10290553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 矩子 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (50072997)
長谷川 純 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (20290554)
綿森 淑子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (00073023)
高月 容子 兵庫県立高齢者脳機能センター, 附属病院, リハビリテーション科主任
森 悦朗 兵庫県立高齢者脳機能研究センター, 附属病院, 副院長/診療部長/神経内科部長/臨床研究科長
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Keywords | アルツハイマー型痴呆患者 / 談話評定法 / 失語症患者 / 認知機能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、AD患者の談話の量的・質的な評価を行い、日常生活でのコミュニケーション上の問題との関連を検討することである。昨年度は、談話評定法試案を作成し、これを用いて失語症患者および健常者との比較において軽度AD患者の談話特徴を明らかにした。 今年度は中等度および重度AD患者を含め、異なる重症度の患者の談話特徴を検討した。対象は前年度に検討をおこなった軽度AD患者を含むAD患者26名とした。この26名をCDRによる重症度により、軽度群15名、中〜重度群11名の2群に分けた。課題はこれまで用いたものと同様の談話課題2課題(情景画の叙述および手順の説明)と話題を決めて行う会話とし、談話評定法試案を用いて分析し、両群の比較をした。結果、会話の[応答形式]、[適合性]および[情報量]に関しては、両群の間に有意差を認め、ADが重度化するほどにこうした側面での問題がより明らかになった。また、全般的認知機能の指標としてMMSE得点を用い、談話評定法試案の結果との相関を求めたところ、17項目で有意な相関を認めた。このことから、談話評定法試案による談話の特徴は認知機能低下を反映したものであることが示唆された。しかし、CDRに基づく重症度による群間差が明らかになったのは3項目だけであったのは、今回の検討の対象者には重度AD患者が少なかったことが関与している可能性が大きいと考えられた。 以上より、来年度は中等度および重度の対象者を増やして検討したい。また、既にデータ収集済みである家族へのアンケート調査の結果分析も行う。
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