1999 Fiscal Year Annual Research Report
山羊の黄体発育に及ぼすGnRHアンタゴニスト投与の影響とその機構解*
Project/Area Number |
11836009
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川手 憲俊 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80221901)
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Keywords | ヤギ / 黄体 / GnRHアンタゴニスト / LH / プロジェステロン |
Research Abstract |
平成11年度の研究においては性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)のアンタゴニストを用いて内因性の黄体形成ホルモン(LH)の放出を抑制することにより、山羊の黄体発育および機能維持に及ぼす影響について検討した。 正常発情周期を示すシバ山羊を3群に分け、1群は対照群、2群は黄体の発育期および機能維持期の両期間においてGnRHアンタゴニストを投与する群、さらに3群は黄体の機能維持期にのみアンタゴニストを投与する群とし、血中LHおよびプロジェステロン濃度に及ぼす影響について検討した。その結果、LHについては、1群ではLHのパルス状放出が発情周期の各時期でみられたが、2群では各時期でのLHのパルス状放出は消失した。また3群では生理食塩水の投与期間中はLHのパルス状放出は認められたが、GnRHアンタゴニストの投与期間中はLHのパルス状放出は消失した。さらにプロジェステロン濃度については、1群では排卵後増加し10日目前後に最高値に達し、15日目頃までその濃度を維持した後減少した。2群のプロジェステロン濃度は排卵後増加したが、その増加は1群のそれに比較して緩やかであり、さらに排卵後10日目からは急激に減少し、13日目には排卵日と同程度の低値に戻った。3群のプロジェステロン濃度はGnRHアンタゴニストの投与開始日である10日目までは1群と同様に増加したが、その翌日から急減に減少し13日目には排卵日と同程度の低値に戻った。 以上の成績から、山羊においては、黄体の発育および機能維持の両方に内因性LHは必要であることが示唆された。さらにGnRHアンタゴニストの投与によって維持期の黄体は完全に退行することから、黄体の機能維持にはその発育に比較して内因性LHに対する依存度がより高いことが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Kawate, N.Morita, M.Tsuji, H.Tamada, T.Inaba, T.Sawada: "Anovulation to a luteinising hormone surge in one aged goat with follicular cysts"Veterinary Record. (印刷中). (2000)