1999 Fiscal Year Annual Research Report
犬のアレルギー疾患におけるin vitro診断法の確立
Project/Area Number |
11836013
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
阪口 雅弘 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究官 (20170590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
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Keywords | イヌ / アレルギー / アレルゲン / IgE |
Research Abstract |
最近の疫学調査でアレルギー疾患の犬の50%以上がダニアレルゲンに感作されていることが明らかになった。しかしながら、アレルギー疾患の犬におけるダニ主要アレルゲン(Der1,Der2)に対する反応は調べられていなかった。 今研究においてアトピー性皮膚炎の犬におけるダニ主要アレルゲン(Der1,Der2)に対する反応を調べるために、これらのアレルゲンに対するIgE測定法を確立した。ダニ粗抗原(DF,DP)および主要アレルゲン(Der1,Der2)特異的IgEは犬IgEに対するモノクロ一ナル抗体を用いた蛍光ELISA法で測定した。すなわち、マイクロプレートにこれらの抗原を固相化し、イヌ血清を加えた後、イヌIgEに対するモノクローナル抗体、ビオチン化抗マウスIgG、β一ガラクトシダーゼ標識ストレプトアビジン、最後に基質として4一メチルウンベルフェロンを加えた。 ダニ粗抗原特異的IgE抗体陽性のアトピー性皮膚炎の症状を示す16例の犬の中で、全例でDF特異的IgE、11例でDP特異的IgEが認められた。DPに比べ、DFに対する反応性が強いことが分かった。また、16例中6例にDer1特異的IgE、7例にDer2特異的IgEが認められた。しかしながら、16例中8例はDer1、Der2のどちらにも反応しなかった。犬は人よりもこれらの主要アレルゲンに対する反応性が弱いことが分かった。このことからイヌにおいて人での主要アレルゲンDer1、Der2以外のダニ主要アレルゲンの存在が示唆された。今後、イヌにおけるダニ主要アレルゲンの研究が必要と考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masuda K.et al.: "IgE-sensitivity and cross-reactivity to crude and purified mite allergens in atopic dogs sensitive to mite allergens"Vet Immunol Immunopathol. (in press).
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[Publications] Masuda K.et al.: "Positive reactions to common allergens in 42 atopic dogs in Japan"Vet Immunol Immunopathol. (in press).
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[Publications] Toda M.et al.: "Inhibition of IgE response to Japanese cedar polen allergen in mice by DNA immunization"Immunolgy. (in press).
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[Publications] 阪口雅弘: "最新獣医診療ハンドブック「ダニとアレルギー」"インターズ社(長谷川篤彦監修). 4 (1999)