2000 Fiscal Year Annual Research Report
ゲームの発生と相互作用する・動的認識ネットワークのダイナミクスの複雑さの研究
Project/Area Number |
11837003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10211715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泰地 真弘大 文部科学省, 統計数理研究所, 助教授 (10242025)
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Keywords | 動的認識ネットワーク / ゲーム / 複雑さ |
Research Abstract |
本年度は、1)動的認識システムの力学系としての性質、2)結合動的認識システムによる談話モデルの解析、3)λゲームの解析4)動的認識システムと剛体系との結合システムの解析5)レプリケータ方程式をもとにしたカオス遍歴現象の研究などをおもに行なった。 1)動的認識システムは、時間認知を得意としている。ここでは空間認知として簡単に学習できる問題に関し、時間認知でどのように学習しようとするかを調べ、学習アトラクターのノイズに対する強さやリドルドなベイスン構造について解析した。特にノイズに対する安定性の閾値が2つ存在することと、学習に成功するアトラクターの方が壊れやすいことは興味深い発見である。この成果はNeural Network誌に投稿準備中である。 2)談話をひとつのシステムと考えることで、2人の話者が談話のモデルをつくりながら会話する力学システムを調べた。やはり動的認識システムを用いるが、ゲームのように将来の得点を最適化するのではなく、モデルの連続性(なめらかさ)を保つように発話が行なわれる。その結果、会話の構造の間欠的な移り変わりや、発話パターンの変遷を解析した。1部が2000年4月のパリの言語の進化の国際会議で発表され、現在投稿準備中。 3)λ式を用いてゲームをデザインし、ゲームと遊びの差であるゲームのルールの変更を扱うことができるモデルを囚人のジレンマゲームに関しデザインした。その結果メタゲーム戦略を3つの形に分類し、どのようなゲームを行ないうるかを解析できた。 この他、動的認識システムと剛体系の相互作用4)を扱うことで、物理的制約の下での認知のモデルを探索中である。また今後ゲームと遊びをつなげていく研究の中で大事な概念であるカオス的遍歴5)を簡単なモデルで解析した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K,Hashimoto,T.Ikegami: "Heteroclinic Chaos,Chaotic Itinerancy and Neurrol Attractors in Symmetrical Replicator Equations with Mutations"Journal of the Physical Society of Japan. 70・2. 349-352 (2001)
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[Publications] N,Ono and T,Ikegami: "Self-maintenance and self-Reproduction in an Abstract cell Model"Joural of theoretical Biology. 206. 243-253 (2000)
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[Publications] 池上高志: "人工生命の世界観"科学哲学. 33-2. 93-105 (2000)
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[Publications] 池上高志: "生命進化を理解する"パリティ. 15-10. 20-26 (2000)
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[Publications] 池上高志: "人工生命"計測と制御. 40. 106-112 (2001)
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[Publications] I,Igari and T,Ikegami: "Modeling discourse Complexity"the 3^<rd> proceeding of the International conference on the evolution of Language. 132-133 (2000)