1999 Fiscal Year Annual Research Report
長鎖DNA折り畳み構造の多様性と遺伝子発現のダイナミックス
Project/Area Number |
11837019
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Research Institution | College of Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
吉川 祐子 名古屋文理短期大学, 食物栄養学科, 助教授 (80291871)
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Keywords | 長鎖DNA / 折り畳み構造 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
生体中でDNAは、コンパクトに折り畳まれた構造(凝縮状態)で存在する。一方、水溶液中でDNA分子は、ポリアミンやヒストンタンパク質をはじめとする種々の凝縮剤の作用により、ランダムコイル状態から凝縮状態へと転移する。この様なin vitroでのDNAの分子内転移機構の分子レベルでの解明は、in vivoにおけるDNAの折り畳み構造と複製や転写機構との関係を理解する上でも非常に重要であると考えられる。 具体的な成果として、(1)水溶液中での単一DNA分子の高次構造変化を、T4ファージDNAを用いて観察し、同じ凝縮剤でも凝縮剤の濃度や溶液中のイオン強度の変化等環境条件に応じて、多様な凝縮構造を引き起こすことを明かにした。また、糖結合カチオン性ポリエチレングリコール誘導体によって引き起こされたDNA凝縮体は、光照射によって大きな高次構造変化を引き起こすことも見い出した。(2)哺乳動物細胞由来のDNAでもT4ファージDNA同様、凝縮剤を含めた種々の環境条件に応じて多様な高次構造変化を引き起こすことを明かにした。また、実験手法としては、これまでの蛍光顕微鏡によるDNA分子鎖の動画像の定量的解析や、電子顕微鏡によるミクロな構造の観察、凝縮過程の熱力学的解析に加えて、抗体染色法やレーザートラップ法も試み、興味深い知見を得ることができた。今後、より細胞内環境に近いナノ環境条件を試験管内で再現することにより、高次構造と生物学的機能との関係を追究していきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yuko Yoshikawa: "Formation of a giant toroid from long duplex DNA"Langmuir. 15. 4085-4088 (1999)
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[Publications] Yuko Yoshikawa: "Folding transition of long duplex DNA from mammalian cells"Nucleic Acids Symp.Ser.. 42. 61-62 (1999)
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[Publications] Yuko Yoshikawa: "Light illumination induces large change in the higher order structure of giant DNAs complexed with maltosylated amino-pendant polyethylene glycol and sodium dodecyl sulfate"Polym.J.. 31. 1025-1028 (1999)