1999 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルエージェントを用いた発生的計算による原日本語助詞の発生シミュレーション
Project/Area Number |
11837020
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Research Institution | Aichi University Junior College |
Principal Investigator |
須田 淳一 愛知大学短期大学部, 講師 (30310600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 治敏 愛知大学, 経済学部, 助教授 (40278221)
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Keywords | 系進化 / 系発生 / 自然言語記号系 / 文法系 / 系統発生 / 個体発生 / 自己組織化 / 認知類型言語学 / Zipf則(ジップ法則) / 語彙獲得 |
Research Abstract |
主として以下の4種のトピック(I〜IV)について、理論を整理し、多数の計算機実験を行なった。現在、各トピックの関連学会(国際学会を含む)での口頭発表をそれぞれ準備している。 I 系進化ではなく系発生を観察でき、かつ、より少ない誘導性によってシンボル計算できるアルゴリズムを設計することについて。 ・Elman型及びパーセプトロン型ニューラルネットワーク、Membrane Computing等のアルゴリズム理論を整理し、本研究への応用を検討した。 II 文法系(動的な発展生成系としての)を記述するために、諸々の言語実体(linguistic entities)と各要素間の諸関係を、主として認知類型言語学の知見を踏まえてモデリングすること、また、論証課題としての諸仮説を設定することについて。 ・第2回認知言語学フォーラムにて研究成果(「格関係はなぜ接続関係へと進化するのか」)をすでに公開している。この発表を含め、2種の基盤認知スキーマを考案し、文法系の発生をより単純に記述することを試みている。 III 系として自己組織化するプロセス、及び組織化後における系の安定/不安定性を観察できる創発モデルとその理論(仮説)を、言語記号系において設定することについて。 ・Zipf則とその関連研究を整理し、系の自己組織化現象における構成素の挙動を多数の計算機実験によって計量し、上述の創発理論モデルヘの手掛かりを得た。 IV 自然言語記号系の系統発生と個体発生について、既存のデータベースをもとに、計算機実験することについて。 ・『源氏物語』全編について、単語分かち書きローマ字データベース処理を施した後、Zipf則を計算した。また、系統発生プロセスのヒューリスティクスとして、個体発生レベルで観察される幼児の言語獲得に関わる先業データをもとに、計算機実験を行なっている。
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