1999 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞におけるステロイドホルモン合成機構の解明及びその病態生理学的意義
Project/Area Number |
11838003
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武田 仁勇 金沢大学, 医学部, 助教授 (90242544)
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Keywords | 心筋 / メッセンジャーRNA / アルドステロン合成酵素 / アルドステロン / 心肥大 |
Research Abstract |
1)ラット心筋におけるアルドステロン産生、及び合成酵素の存在の証明 ラット心臓潅流標本を用いて潅流液中にアルドステロンの存在を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、ガスクロマトグラフ-質量分析型(GC/MS)を用いて検討を行い,アルドステロンと同等の質量を有するステロイドの存在を確認した.次にアルドステロン合成酵素の存在を証明するために心臓をホモジナイズし、〔^<14>C〕-DOCを加え培養し、培養液をHPLCを用いて分離しアルドステロン標準ピークに一致する分画を採取し放射活性を測定し、アルドステロンまで変換されるか検討を行なった.DOC及びアルドステロンに一致するピークをHPLCにて検出し,DOCからアルドステロンへの変換を証明した.さらに心筋におけるアルドステロン合成酵素メッセンジャーRNA(mRNA)の存在を証明するために,心筋からRNAを抽出し逆転写酵素で処置後、アルドステロン合成酵素遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRを行いmRNAの発現を検討した.心筋におけるアルドステロン合成酵素遺伝子mRNAの発現は副腎に比べて100分の1程度と弱かったが,検出可能であった. 2)ラット心筋におけるアルドステロン合成調節機構の解明 ラットにアンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンIIを投与し、また副腎全摘ラットを作製し心臓からのアルドステロンの産生、及び心筋におけるアルドステロン合成酵素活性及びmRNAの発現に対する影響を検討した。心筋におけるアルドステロン合成は副腎同様アンジオテンシンII及びKにより調節をうけ,ACTHの影響は見られなかった。
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