2001 Fiscal Year Annual Research Report
核内ホルモン受容体コアクティベーターを介する転写調節機構への環境化学物質の影響
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11839031
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
小澤 安則 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (10124306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 学 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (00265141)
竹下 章 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (20322646)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / ビスフェノールA / フタル酸化合物 / SXR / コアクティベーター / SRC-1 / CYP3A4 |
Research Abstract |
ビスフェノールA(BPA)はポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂などの原料としてひろく利用されているが、エストロゲン受容体(ER)に低親和性ながら結合してエストロゲン活性を持つことから内分泌撹乱物質のひとつとして知られている。オーファン受容体であるステロイド・ゼノバイオティク受容体(SXR)はERと同じ核内ホルモン受容体に属し、肝におけるステロイドホルモン、脂肪酸、さらに薬剤などの化学物質の代謝に重要な酵素であるチトクロームP450-3A4(CYP3A4)の転写調節をおこなっている。CYP3A4の酵素誘導をおこす種々の薬剤や化学物質がSXRにリガンドとして結合し、CYP3A4プロモーターのゼノバイオティク応答配列上(XRE)でCYP3A4の転写を活性化する。我々はヒトSXR cDNAとCYP3A4の上流域を組み込んだルシフェレースレポーター、(XRE)-CYP3A4-LUCをヒト肝臓由来のHepG2細胞へトランスフェクトしレポーターアッセイをおこなって、BPAなどの内分泌撹乱物質がヒトSXRを介して転写を活性化するかどうか検討した。BPAやフタル酸化合物(DEHP)によりCYP3A4の転写が活性化された。マウスのSXRではBPAは転写を活性化しないことが知られているが、この理由としてヒトとマウスSXRのホモロジーが約70%と低いためと考えられた。なお哺乳細胞を用いた2ハイブリッドアッセイによりBPAがSXRと核内受容体のコアクティベーターであるSRC-1との結合を促進したことから、BPAがリガンドとしてSXRに結合しSRC-1との結合をリクルートする考えられた。以上より、BPAやDEHPはエストロゲン受容体のみでなくヒトSXRのリガンドとしても作用しステロイドホルモン、脂肪酸、さらに薬剤などの化学物質の代謝に影響を与える可能性が示唆された。
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[Publications] Takeshita A, et al.: "Bisphenol-A, an environmental estrogen, activates the human orphan nuclear receptor.steroid and xenobiotic receptor-mediated transcription"European Journal of Endocrinology. 145(4). 513-517 (2001)