1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11871013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 徹弘 大阪大学, 人間科学部, 教授 (40030043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 真治 大阪大学, 人間科学部, 助手 (00211756)
金澤 忠博 大阪大学, 人間科学部, 助手 (30214430)
日野林 俊彦 大阪大学, 人間科学部, 教授 (80156611)
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Keywords | 乳幼児 / 食行動 / 保母とのラポート / 手づかみ食 / 二足歩行 / 自立 |
Research Abstract |
平成11年度の調査は、4月は環境の変化に伴う乳幼児の情緒的混乱を避けること、および今後の観察と関連する対象児の家庭環境等の基礎的情報を収集し整理した。また、この期間に担当保母とのラボートの形成につとめた。観察は5月に入ってから開始され、まず(1)歩行が完成していない10カ月齢±1週間、(2)歩行が完成している乳児と完成していない乳児が混在している12カ月齢±1週間、及び(3)多くの乳児の歩行の完成している14カ月齢±1週間と一人について3回の録画を行い、総計8名分のデータを収集し現在も収集中である。撮影は、児の姿勢、食事の直前の様子、保母とのかかわり、隣や正面に座った児との関わり、などの様子がとらえやすい位置を選択して開始された。撮影は食器の配られる直前から開始され食事の終了する時、あるいは食事開始から30分間、行われた。その後、乳児の食行動と関連する行動、食事を与える保母の行動等について行動カテゴリーを作成した。本年度の観察からは、「保母が与える」、「手づかみで食べる」、「片手にスプーンを持つ」、「スプーンを使って食べる」、「指も口に入れる」等の行動を手がかりとして乳幼児の食行動を分析することが出来そうなことがわかった。さらに、発達的には、10カ月間齢では「保母が与える」行動が大半であったが、12カ月齢になると個人差もあらわれ、また「手づかみで食べる」行動が多く観察されるようになった。14カ月齢になると、「保母が与える」行動は大きく減少し、全ての児は「手づかみで食べる」ようになり、多くの児は「片手にスプーンを持つ」、「スプーンを使って食べる」行動も見られるようになった。以上のように、乳幼児は大半の児がニ足歩行を開始する12カ月齢の頃を分岐点として食行動においても自立の萌芽がみられた。
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[Publications] 金澤,清水,糸魚川,南,藤村: "超低出生体重児の精神運動発達"周産期医学. 第29巻. 1017-1023 (1999)
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[Publications] 日野林,糸魚川: "性成熟と健康習慣―初潮年齢と朝食習慣の関わりについて―"日本発達心理学会第10回大会発表論文集. (発表予定). 272
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[Publications] 南,廣瀬,加藤,金澤,日野林: "沖縄県における乳幼児の歩行発達"日本発達心理学会第11回大会発表論文集. (発表予定). 156
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[Publications] Minami,Kanazawa,Hinobayashi et al.: "Development of walking and physical growth in infants"XXVII International Congress of Psychology/Stockholm. (発表予定).
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[Publications] Hirose,Minami,Hinobayashi et al.: "Development of locomotion and walking in infants"XXVII International Congress of Psychology/Stockholm. (発表予定).
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[Publications] 南 徹弘: "現場研究・田島信元・西野泰広 (編著) 発達研究の技法"福村出版 (印刷中).