1999 Fiscal Year Annual Research Report
スペース・コラボレーション・システムによる地方大学の演習の活性化の基礎的研究
Project/Area Number |
11871022
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
光田 基郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90038480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 等 琉球大学, 教育学部, 助教授 (60274875)
高橋 秀明 メデイア教育開発センター, 助教授 (30251002)
中村 純作 徳島大学, 総合科学部, 教授 (20035695)
|
Keywords | SCS / 遠隔授業 / 質問紙調査 / 因子分析 / 画面上での共感 / 親和性 |
Research Abstract |
調査の目的:SCSを用いた遠隔授業を同時に受講する複数の地方大学の学生を対象として、授業後にアンケート調査を行い、遠隔授業に対する参加態度と受講生の意識内容とを明らかにする。 方法:熊本大、琉球大と徳島大の学生96名が、各大学で同時に視聴して、遠隔講義を受講した。講義は、メデイア教育開発センター教官2名がSCSシステムと知識表現法の説明を行った。調査項目は(a)発言を求めた際の効力感・被共感性、(b)参加意欲、(c)他者との関係で自己像を明確にする要求、(d)交流からの充足感及び(e)受講生の学習集団の組織化の必要性の各々に関する合計25項目である。各受講生は講義終了後に5件法で上記の調査項目への回答を求められた。 結果:上記の結果の因子分析(主成文法・バリマックス回転)結果から下記4因子を抽出した。これらは(a)受講中に発言を求めて述べた内容に対して他大学の受講生や講師から共感と受容を得る期待、(b)自己表現の意欲、(c)他者との比較過程で自己像を明確にしたい要求及び、(d)他人との交流過程で充足感を得る要求のそれぞれに対応し、その累積寄与率は67%である。 さらに、パス解析の結果からは、上記(a)の画面上での受容を期待する態度の説明説変数として積極的に参加して自己表現する意欲と親和動機とを指摘し得た。 総括と結論:遠隔授業を受講する個々の学生は議長校に発言を求めてから質問するなどの新しいマナーを学びながらも自己表現する意欲を示すほか、その発言が画面上で共感されるとの期待を持って授業に臨む傾向を指摘し得た。この点を教材提示法と議長校の研修に生かす事が課題となる。これらの結果は、今年度の認知科学会大会に発表すべく審査原稿を投稿中である。
|