2001 Fiscal Year Annual Research Report
中心視野障害患者の読みの解析と改善に関する教育心理学的研究
Project/Area Number |
11871023
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
小田 浩一 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (60169307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 巌 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (90305300)
竹下 美穂 東京女子大学, 現代文化学部, 助手 (40297437)
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Keywords | 中心視野障害 / 加齢黄斑変成症 / ロービジョン / 読書困難 / MNREAD / 拡大読書器 / プラズマディスプレイ / リハビリテーション |
Research Abstract |
昨年度までの研究で,中心視野障害患者の読みの解析は、他のタイプのロービジョンの患者に対するのと同じように、MNREAD-Jという研究代表者らが開発した読書検査チャートを用いて行うことができることが分かった。昨年度からの研究では、ただし、患者によっては、測定レンジを拡大する必要があることが分かり、プラズマディスプレイを利用して大きな文字を表示する装置を開発した。これを用いることで、中心視野の障害のために、読書能力が極端に下がっている患者でも、多くの場合は適切な拡大を行うことで実用レベルの読書能力に改善できることも分かった。今年度は、10倍をこえるような拡大率が必要と考えられる患者については、通常の拡大読書器では不十分な場合があり、30インチを超えるモニター画面を使わないと読書困難を改善できないことがあることをみつけ、これをAssociation for Research in Vision and Ophthalmology(ARVO)の年次大会、日本視覚障害リハビリテーション協会大会、日本ロービジョン学会で報告した。また、中心視野障害を含めたすべてのロービジョンについての読書評価・困難の解析法とエイドの選択方法について、弱視教育に連載で解説を書いた。さらに、客観的な読書評価が、エイドの選択やエイドやサービスの開発にとって効果的かつ重要な指標となりうることを、心理学評論に発表した。
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[Publications] 中村仁美, 小田浩一, 湯澤美都子: "輪状暗点が拡大した症例における読書能力の変化"臨床眼科. 55-4. 607-610 (2001)
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[Publications] 小田浩一: "眼科検査機器の光学-9. low vision"眼科プラクティス. 71. 96-100 (2001)
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[Publications] 小田浩一: "視覚障害とエイド"心理学評論. 44-2. 177-190 (2001)
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[Publications] 小田浩一: "ロービジョンの読書困難を測定しエイドを適切に選択するための読書チャートMNREAD-J(1)"弱視教育. 39-2. 26-28 (2001)
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[Publications] 小田浩一: "ロービジョンの読書困難を測定しエイドを適切に選択するための読書チャートMNREAD-J(2)"弱視教育. 39-3. 11-14 (2001)
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[Publications] 田中恵津子, 西脇友紀, 平形明人, 小田浩一, 藤原隆明: "ロービジョン児のリハビリテーションのための新しい視機能評価の試み-7歳児脈絡膜コロボーマの1例-"眼科臨床医報. 96-1. 52-56 (2002)