1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11871024
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
藤原 武弘 関西学院大学, 社会学部, 教授 (20033706)
|
Keywords | リスク認知 / 情報遺漏 / 高度情報化社会 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高度情報化社会における情報遺漏に対するリスク認知を明らかにすることであった。ゼミの卒業生名簿をもとに514名に郵送法による調査を行った。その中から197名(男性100名、女性97名)の妥当な回答が得られた。質問紙の内容は、リスク認知尺度(恐怖次元と確率次元)、メディアリテラシー尺度、情報手段機器の利用と所有、高度情報化社会に対する態度、デモグラフィック要因等を含むものであった。とりわけ恐怖度得点の高い項目は以下である。「銀行のファイルが調べられ、自分の預金通帳が書き換えられる」「電話が盗聴される」「自分のクレジットカード番号が他人に知られる」「自分の日記や手紙が他人に見られる」「知られたくない悩み、心配事が他人に知られる」「自分の口座番号が他人に知られる」「匿名で利用できるコンピュータシステムで自分の名前が知られる」等々。逆に恐怖得点の低い項目は、「自分の出身学校が他人に知られる」「自分または配偶者の所属している会社の名前が他人に知られる」であった、恐怖得点の平均値と確率次元得点の平均値の間には負の高い相関関係が見出され、生起する確率の高い事象ほど恐怖度は低く、生起する確率の低い事象ほど恐怖度は高いことがわかった。リスク認知尺度を因子分析した結果、公的情報遺漏、私的情報遺漏、金銭に関わる情報遺漏の三次元が見出された。三つの次元全てに性差が見られ、女性の方が男性よりも情報遺漏に対して強い恐怖感を持っていることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Koji Kosugi, Takehiro Fujihara & Hiromi I keuchi: "A study of the risk perception of a leakage of information in a computer-mediated society"Proceeding of third conference of the Asian assosiation of social psychology. 182-183 (1999)
-
[Publications] Koji Kosugi, Takehiro Fujihara & Hiromi I keuchi: "A study of the risk perception of information leakage in a computer-mediated society(3)"関西学院大学 社会学部紀要. 84. 181-188 (2000)