1999 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育を受けるのに必要な能力の基礎的検討に関する研究
Project/Area Number |
11871048
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Research Institution | National Center Test for University Admissions |
Principal Investigator |
小野 博 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10051848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 照久 大学入試センター, 研究開発部, 助手 (10280538)
荒井 克弘 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (90133610)
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Keywords | 日本語語彙力テスト / 高等教育 / 基礎学力 / プレースメントテスト / リメディアル教育 / 学習の基本的スキル / 英語教育 / 国語教育 |
Research Abstract |
近年、大学生の基礎的学力の低下が表面化しているが、高等教育を受けるにはどの程度の日本語力が必要であるかについての調査研究を進めている。我々の作成した、標準化された日本語語彙力テストを用い、約2000名の大学生を対象に調査を実施した。その結果、大学入試に多くの科目を課している大学の学生の日本語語彙力は、大学生レベル約70%、高校生レベル約30%であったが、学科試験を行わないような多様な入試を実施している大学の学生の日本語力は、大学生レベルから中学生レベルまで広く分布していることが分かった。次に、同じ調査問題を用いて留学生の調査を実施し、その結果と留学生の授業の受講の難易度についての聴き取り調査を行った。その結果、留学生の場合、日本語力が高校生レベルと判定された学生は授業への対応が良好であることが分かり、「内容的に知識がないために分からないこともあるが、先生が言っていることはほとんど分かる。」と答えた留学生が多かった。一方、中学生レベルと判定された留学生は、「先生の言っていることが聞き取れない場合や、内容が理解できないことが多い。」と述べているように、日本語力が中学生レベルでは大学の講義の受講は困難であると想像される。さて、今回の調査で日本人大学生で、日本語力が中学生レベルの学生が約6%いることがわかったが、これらの学生には、日本語のリメディアル教育が必要であるが、現状ではプレースメントテストも含め、実施されていない。今後、数千名の大学生ばかりか、高校生も対象に、日本語力テストを実施すると共に、どのような教育を行えば良いかを調査実施校の教官等と研究したい。
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[Publications] 小野博 他: "英語I・OCの授業はどう変わる(座談会)"英語教育. 48巻・13号. 23-45 (2000)
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[Publications] 小野博 他: "21世紀の感性教育"六甲出版. 230 (1999)
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[Publications] "うちの子ペラペラになれるかな"旺文社. 240 (1999)