2000 Fiscal Year Annual Research Report
弥生時代後期〜古墳時代前期における北陸北東部系土器の地域色の研究
Project/Area Number |
11871057
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
川村 浩司 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 助教授 (70204782)
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Keywords | 弥生時代後期 / 古墳時代前期 / 北陸北東部系土器 / 胎土中砂礫 |
Research Abstract |
出土土器の時期比定のため、新潟県上越市域出土土器を中心に土器編年の検討を行った。この編年に対比することで、同一時間軸による議論が可能となり、古墳時代全搬を通した位置づけが行いやすくなった。 上越市域出土土器の系譜については、形状から畿内系、山陰系の個体を指摘するとともに、器面調整技法の特徴から上野(群馬県)の影響があるものを指摘することができた。 土器胎土中の砂礫観察では、信濃川流域の遺跡出土土器には透明度の高い石英粒が含まれるものが多いという見通しを得た。県外で出土する北陸北東部系土器の胎土中砂礫の観察の上で有効となろう。また、当該地域出土の外来系土器の産地推定の際のひとつの判断材料となろう。 また、新潟県出土の外来系土器のひとつである(東海地方,伊勢湾地域系の)S字甕について,形態や技法等から搬入品か模倣品かの検討を行うとともに胎土についても検討した。中郷村籠峰遺跡などで県外産のものがあるのではないかという可能性を示した。西山町高塩B遺跡例については、伊勢湾地域からの搬入品である可能性を指摘した。一方、黒埼町(現新潟市)緒立遺跡例については信濃(長野県)等東海以外からの搬入品の可能性を指摘した。さらに胎土から信濃産の可能性のあるものは口縁部の内傾端面が明瞭ではないということを指摘し、土器の系譜と産地の推定の際、形態と胎土の両面からの追求が可能なことを具体的に示した。
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Research Products
(2 results)