1999 Fiscal Year Annual Research Report
行為の空間的位置づけとその言語化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11871070
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 博志 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (10200734)
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Keywords | 位格 / 前置詞 / 空間表現 / 項指向性 / フランス語 |
Research Abstract |
本研究は「行為の空間的位置づけ」に関わる問題点について検討することを目的とする.中心となるのは,二つ以上の事物が関与する出来事を表す文に伴う位格の項指向性(その位格が二つの事物のどちらの位置を表しているか)の問題である.今年度は以下の作業を行った. ・主に,日本語の文学作品を収録したCD-ROM言語資料を利用して,該当する例文を収集した. ・収集した例文をもとに,位格の項指向性を決定するメカニズムの大枠に関して考察した. 動詞の表す行為の性質が,位格の項指向性を決定する最大の要因であるが,それ以外に,行為に係わる事物自体の特徴(有生,無生など),関係する場所の特徴(場所が固定しているなど,位置づけに適したものかどうか),話者の発話意図(位置づけを目的とした発話なのか,それとも行為の目的,理由を表すなど,それ以外の意図を持った発話なのか)などが関与することが予想される. 来年度は映像を用いた実験を行い,この仮説の妥当性を検討する予定である. ・フランス語のou"where"に対応する(ou"where"の適切な答えとなる)要素が,文中でどのような構文的・意味的役割を持つと考えられるかを,日本語の「どこ」と比較対照するかたちで,検討した.
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Research Products
(1 results)