1999 Fiscal Year Annual Research Report
金融自由化に伴う国外源泉所得に係る資料情報制度の研究
Project/Area Number |
11872002
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
占部 裕典 金沢大学, 法学部, 教授 (10193971)
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Keywords | 外国為替及び外国貿易法 / 資料情報制度 / 源泉徴収課税 / 税務情報 |
Research Abstract |
平成11年度においては、まず、外為法改正が税制に及ぼす影響を検証した。外為法の改正により、企業の取引決済方法、資金調達の方法が大きくかわり、(1)外国銀行への預金から得られる利子、外国証券を通じた証券投資信託から得られる収益、不動産等の海外胡散から得られる収益に対して課税漏れが生ずる可能性が高い、(2)不正な所得が海外に流出することにより、わが国での課税が困難となっている等々、を明らかにした。そのうえで「固定資産税以外送金等に係る資料情報制度」 (内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る長所の提出等に関する法律」 (平成9年公布)の内容を検討し(比較法的視点からも考察している)、制度上の欠陥を明らかにし、外為法改正後の税務執行体制に改正が必要であることを明らかにした。 併せて、外為法の改正が、現行の源泉徴収制度に頼った利子所得税にも大きな影響を与えていることを確認した。ここでは、特に、居住者に支払われる利子等と源泉徴収制度を中心に、現行規定(租税特別措置法3条1項等)が十分な機能をしないことを指摘した。さらには、本年度においては、電子商取引・金融ディリバティブに対する課税と情報との関係にも調査を開始している。 また、平成11年度においては、外為法改正にともなう税務情報と課税との関係について、外国の法制度との検証を開始した。特に、本年度は、アメリカを中心に(「通過及び海外取引報告法」等の資料情報制度)、その制度の骨子を明らかにした。内国歳入庁(IRS)の運用実態の解明及びヨーロッパ所得の資料情報制度の研究は平成12年度の検討となる。
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Research Products
(1 results)