1999 Fiscal Year Annual Research Report
海外における著作権処理エキスパートシステム開発の研究
Project/Area Number |
11872005
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
水島 和夫 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (00311168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 幸房 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (70223980)
大家 重夫 久留米大学, 法学部, 教授 (90258351)
菊川 健 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (80056001)
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Keywords | 著作権処理 / 情報技術 / 高等教育機関 / マルチメディア / 著作権情報データベース / 集中的権利処理 / デジタル化 |
Research Abstract |
著作物の利用に伴う権利処理を支援・処理するエキスパートシステムについては、(1)著作物の所在情報及び権利管理情報を含む著作権情報データベースの構築・提供、(2)著作物利用の申込・許諾、(3)コンテンツの提供、の3点の全て又は一部について、情報技術を活用した迅速・簡易な処理システム(ECMS=Electronic Copyright Management System)が欧米諸国で研究されている。 世界知的所有権機関では、1998年12月のグローバルな情報ネットワークにおける著作権及び著作隣接権の管理に関する諮問委員会や、1999年9月の電子商取引と知的所有権に関する国際会議等においてECMSに関する検討が行われた。 ECMSの主要なものとしては、米国のCCC(Copyright Clearance Center)や英国のCLA(Copyright Licensing Agency)が、出版物の高等教育機関における複写利用に関しECMSの使用を開始し(CCCは上記(1)及び(2)、CLAは(1)について。)、英国のAuthors' Licensing & Collecting Societyは、論説類の利用について上記(1)、(2)、(3)に係るシステムを実用化した。また、ECがマルチメディアへの著作物利用を容易にするための権利処理システムの開発を進めており、その一環であるVERDI計画ではEC内6ケ国の著作権関係機関の共同事業として、既存の権利処理システムを国境を越えて結合・改良し、あらゆる権利者について容易な権利処理を行えるシステム(上記(1)、(2)、(3)を含む。)を研究中である。 なお、技術の進展とともに最近権利化された出版物のデジタル化や電子的利用に関する権利について、CCCやCLAが最近権利処理を開始しているが、特に欧州諸国では、従来の出版契約にこの種権利が明示されていなかったことから著者と出版者との間で権利関係が曖昧になっているという問題が生じており、集中的権利処理による使用料の徴収と適正な分配が求められている。
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