1999 Fiscal Year Annual Research Report
地方議会とジェンダー・ファクター:環境問題の争点化・法案審議と議員の性
Project/Area Number |
11872009
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Research Institution | Asai Gakuen University |
Principal Investigator |
相内 真子 北海道女子大学, 人間福祉学部, 講師 (60281771)
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Keywords | 環境問題 / 地方議会 / 議員活動 / ジェンダー |
Research Abstract |
当該研究の目的は、ゴミや廃棄物の処理、大気汚染、自然破壊、食の安全性などの環境に関わる諸問題の争点化や法案提出について、議会における議員のジェンダーがどのように関わるかの考察にある。本年度は、まず、我が国における地方議会の議員のジェンダーと、政策関心やその優先順位との関連性の検証を調査の中心に据え、前半は、女性議員個人や女性議員のネットワーク、女性候補の支援組織のネットワークや「女性と政治」の研究グループ等に対して面接調査を行った。また、後半は、多くの自治体で争点化しつつある環境問題に関して、議員のジェンダーによる意識や行動の差異(あるいは共通点)を検証するための調査を開始し、現在も継続中である。具体的には、1999年4月の統一地方選挙において選出された、北海道内の市町村議会すべての女性議員と、女性議員とほぼ同様の政治キャリアをもつ同数の男性議員に対して質問票を送付し、現在その回答結果を分析中である。さらに、自治体の環境行政担当職員、議会事務局職員に対する面接を行い、「議員活動のジェンダーによる差異」に関する行政側の認識についても調査した。来年度以降は、調査結果の分析を深化させ、アメリカをはじめ諸外国の「女性と政治」研究分野における先行業績の知見と照らし合わせ、国際比較の視野から、我が国の「議会におけるジェンダー効果」を検証する予定である。
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