2000 Fiscal Year Annual Research Report
説得プロセスのモデル化と情報提示の最適化について-サイバー・コマースでの情報提示に関する基礎研究-
Project/Area Number |
11873010
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 望 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00095936)
|
Keywords | 消費者行動 / 多段階意思決定過程 / 効用理論 / 電子市場 / 情報提示 / 最適化 |
Research Abstract |
前年度の、消費者の多段階意志決定プロセスと提示情報との関係を記述する理論モデル構築とコンピュータ・シミュレーションによる分析結果とを踏まえて、本年度はモデルの理論的な分析を行った。そして、競合製品の多様さの指標としての分散と提示情報量の最適な配分方法との関係を明らかにした。 一方、この多段階意思決定モデルをベースに、ネットワーク上での新製品の普及を記述するモデルを構築し、これまでの普及モデルとの比較・検討を行った。この普及モデルは、ネットワークのミクロな接続の分布状況に注目し、その統計量を用いて普及の進行を記述している点に特徴がある。そのため、さまざまな社会集団が混在した場合や、集団の内部状況の変化が普及に与える影響の評価など、きわめて応用範囲の広いモデルとなっている。なお、これらの結果については、2000年6月のINFORMS-KORMSでも報告を行った。 また、多段階意思決定のモデルに組み入れたフレーミング効果に関連して、Web上でのパソコン仕様決定・購入という問題をとりあげ、情報の提示方法とパソコンの仕様決定との関係を調べる実験を行った。その結果、情報の提示方法が購買意思決定に大きく影響しており、しかもその程度には商品に関する消費者の事前知識が深く関係していることを確認した。
|