2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11873013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
児玉 文雄 東京大学, 先端経済工学研究センター, 教授 (20016538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄場 公規 東京大学, 先端経済工学研究センター, 助手 (80313039)
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Keywords | 新産業 / 新規事業展開 / ファインセラミクス / 異業種間競争 / エントロピー |
Research Abstract |
近年、わが国の景気の低迷もあり、各企業は、これら新規産業への進出を目指した新規事業展開をどのように行っていくかが、経営の最重要課題となっている。しかしながら、企業の新規事業戦略を考える上で基礎となる「新規産業の創出過程」については、ほとんど明らかになっていない。そこで、本研究では、「新産業の創出過程」に焦点をあてた分析を計画している。近年のイノベーション・プロセスは、古典的な線形プロセス(Linear Process)として議論することはできない程に多面性を持っており、非線形なプロセス(None-linear Process)として捉えることが必要である。この多面性を捉えるために、新産業の創出過程を異業種間競争という視点から分析し、従来の新産業分析に欠落していた要素を整理し、再統合することにより新たなイノベーションプロセスを提示することを目的とする。 研究成果としては、二年度にわたる研究によって、多くの産業において、多角化が行われており、異業種間競争が進展していることが定量的に示された。また、特に新規産業とされている環境産業あるいはファインセラミックス産業においては、近年、異業種間の競争が進展していることが定量的に明らかになった。さらに、事例分析によって、多くの技術革新が異業種間競争というプロセスによって実現されていることを示した。すなわち、本研究の成果によって、異業種間競争という非線形的なプロセスによって、新産業を創出するような飛躍的な技術革新が起きていることを明示することができた。
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[Publications] 児玉文雄: "施術進化サイクル論による新製品・新産業の創出"技術と経済. 396号. 4-9 (2000)
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[Publications] 児玉文雄: "日本の研究体制:需要の翻訳機能の充実"ビジネス・レビュー. 47・3. 1-12 (2000)
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[Publications] 児玉文雄: "ディジタル連携型の産業社会"技術と経済. 394号. 4-14 (1999)
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[Publications] 玄場公規,児玉文雄: "異業種間競争と技術融合による環境産業の創出"環境システム学会論文集. (1999)
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[Publications] 玄場公規,児玉文雄: "ファインセラミクスの異業種間競争と融合"セラミックスデーターブック. 29-34 (1999)
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[Publications] Kiminori Gemba: "Diversification of the Japanese materials industry"R&D Enterprise Asia Pacific. 3(3). 12-18 (2000)
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[Publications] 児玉文雄,玄場公規: "新規事業創出戦略-産業創出・技術進化サイクル論による事例分析-"生産性出版. 196 (2000)