1999 Fiscal Year Annual Research Report
算術的代数解析の試み:多変数超幾何関数の整数論的研究
Project/Area Number |
11874003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70201506)
加藤 和也 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90111450)
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
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Keywords | 超幾何関数 / 特殊関数 / 可積分系 |
Research Abstract |
本計画の企画の内、今年度は代数幾何学的な超幾何系については、あまり研究の進展は無かったが、もう一方の柱であるLie群上の球関数から出てくる超幾何系については、以下に述べるような幾つかの成果が得られた. SU(2,2)という実階数が2で制限ルート系がC_2型である半単純Lie群の「大きな離散系列表現」に属し極小K-typeをもつ行列係数の動径成分が、高山信毅氏(神戸大学)の意味でAppellのmodeified F_2 systemであることが分った(変形F_系とは、古典的なAppellの超幾何系の二番目のF_2の原点と無限点を二次元複素射影空間の一次変換で取り替えた系である.二つの方程式の一つがEulerーDarboux作用素になる.) SU(2,2)の離散系列は、highest weight modules、larger discrete series、middles discrete series(と我々が呼んでいるもの)の三種に分類される.早田孝博(山形大学)・古関春隆(三重大学)との共同研究で、SU(2,2)のmiddle discrete seriesの動径成分の明示公式は得られているので、これとさらに既に得ているSp(2,R)に関する結果も合わせるとSp(2,R),SU(2,2)共に離散系表現の行列係数の動径成分い現れる関数の複雑さがどれくらいであるか、つまりどのくらい複雑な超幾何関数で表されるか理解できたことになる. 現時点ですぐ分かる課題は、この変形F_2系の解のべき級数表示や積分表示が群全体で収束しないことである.接続公式で切り抜けるか、他の表示を求めるべきははっきりしない. 他の人との共同研究を優先させる方針で、上記の研究のプレプリント作成はまだ出来ていない.結果の概要は、千葉県館山市で行われる表現論の集会(平成11年11月)で話した.
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