2000 Fiscal Year Annual Research Report
極小曲面による3次元アレクサンドロフ空間の分類理論の創始
Project/Area Number |
11874015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 孝男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00182444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光太郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10221657)
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Keywords | 極小曲面 / プラトー問題 / アレクサンドロフ空間 / 頂点 |
Research Abstract |
●昨年度までの研究により,曲率が下に有界な3次元コンパクト・アレクサンドロフ空間において極小曲面を構成するためには,まずアレクサンドロフ空間のリプシッツ同相写像の変形理論を少なくとも3次元において構築することが必要であることが判明していた.これに関して,アレクサンドロフ空間の一点からの距離関数の一般化された意味の積分曲線のリプシッツ性に関するヒントが得られた.とくに,距離球にリプシッツ構造が入り,リプシッツ同相写像の変形理論がリプシッツ多様体に対して適用出来ればアレクサンドロフ空間のリプシッツ同相写像の変形理論を確立することが可能となる.更に低次元のアレクサンドロフ空間にリプシッツ構造を入れる方法について,明確で実現可能と思われる手法を見つけることができた.来年度これらの具体的に実現可能となった問題に着手したい. ●最大の頂点数をもつコンパクト非負曲率アレクサンドロフ空間の等長類の分類が,実質的には昨年度の研究により得られていたが,本年度は論文を完成する時間的余裕がなく,来年度中に完成させる予定である.正曲率をもつコンパクト・アレクサンドロフ空間の頂点数の精密評価,また最大頂点をもつそのような空間の分類なども解明したい.
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[Publications] T.Yamaguchi and T.Shioya,: "Collapsing three-manifolds under a lower curvature bound, to appear in J.Differential Geometry."4次元Riemann多様性の崩壊. 数学52巻第2号. 172-186 (2000)
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[Publications] T.Yamaguchi.: "Isometry groups of spaces with curvature bounded above,"Math.Z.. 232. 275-286 (1999)