1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11874017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 芳文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70169944)
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / 自己相似性 / 特異点 / エネルギーカスケード / 渦度 / 乱流 |
Research Abstract |
本年度は初年度にあたり、流体方程式の複素特異性の問題を広く考えていくため準備として実特異性に関するいくつかの問題を考察した。 具体的には,以下の通りである. 1.2次元乱流のエネルギー伝達における自己相似性 乱流の非線形性を最もよく特徴づけるものは異なるスケール間のエネルギー伝達であると言える。このエネルギー伝達がある意味で定常であるような波数領域の存在がKolmogorov理論の本質をなしている。乱流が定常でなくエネルギーが時間とともに減衰するような場合にはより複雑な状況をつくりだしている。非定常減衰乱流のほうが定常乱流より非線形性はより重要であると言える。本研究ではこの減衰乱流におけるエネルギー伝達の問題を二次元乱流のスペクトルにおける自己相似性の観点から議論した。結果として二次元乱流における自己相似性は各種の完結性のモデルにおいてエネルギー強散逸領域の非一様性(集中性)を示唆することがわかった。これはそれらのモデルにおいて強渦度領域の情報を与えることにより、より良い近似ができることを示している。 2.2次元乱流中の非一様楕円渦における軸対称化過程 2次元乱流の大きな特徴はエネルギーが逆カスケード(高波数から低波数側にエネルギーが流れる)し、エンストロフィー(渦度の大きさの2乗)がカスケードすることである。現象で言えば非円形渦が円形化(軸対称化)する一方、細い渦を自分の外に放出することに対応している。この現象を非一様な渦度をもつ楕円渦の非定常運動を数値的に調べることにより考察した。また乱流の統計理論で重要な役割をする渦度勾配の大きさの2乗(パリンストロフィー)とその生成項を楕円渦について計算すると、楕円内部で常に生成項が4重極の構造を持つことがわかった。そして4重極のうちプラスの部分が渦放出に直接的に関与していることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.R.Herring,Y.Kimura and J.Chasnoy: "Evolution of decaying two-dimensional turbulence and self-similarity"Trends in Mathematics. 175-183 (1999)
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[Publications] Y.Kimura and J.R.Herring: "Gradient enhancement and filament ejection for non-uniform elliptic vortex in 2d turbulence"J.Fluid Mech.. (in press).