1999 Fiscal Year Annual Research Report
10フェムト秒レーザーによる波束運動の観測と準位交差問題への応用
Project/Area Number |
11874046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 耕一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90212034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 正伸 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30303803)
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Keywords | 超高速分光 / フェムト秒 / 波束運動 / 準位交差問題 / 四光波混合 / ポンプ・プローブ / F-センター / アルカリハライド |
Research Abstract |
本研究においては、アルカリハライドのハロゲン空孔に一個の電子が捕獲された色中心であるFセンターの励起状態における波束運動を10フェムト秒レーザーを用いたポンプ・プローブ非線型分光法によって観測する。本年度は、 1)まずポンプ・プローブ非線型測定系の整備をおこなった。10フェムト秒レーザーに任意のチャープを加えることを可能にするために、プリズムペアとチャープ補正ミラーをもちいた波形制御光学系を構築した。干渉型自己相関波形の測定により、圧縮時約10フェムト秒のパルスに±200フェムト秒以下の範囲内で任意のチャープを加えることが可能であることを確認した。 2)次に、Mセンターなど他の色中心を含まない良質のFセンター含有KI結晶を付加着色法により作製した。金属Kを多数回蒸留することにより、再現性よく良質のFセンター試料を作成することを可能にした。 3)四光波混合を測定するマイケルソン干渉系のミラーに圧電素子を取り付けるることにより、位相変調下での非線型信号の測定を可能にした。Fセンター試料の2パルス四光波混合信号の遅延時間依存性を常温で測定した結果、振動的構造が100フェムト秒まで続くという結果を得た。パルス幅は10フェムト秒であるので、この信号はFセンターの励起状態のコヒーレンスを観測している可能性が高い。現在、信号の物理的メカニズムについて考察中である。
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Research Products
(1 results)