1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11874050
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鳥養 映子 山梨大学, 工学部, 助教授 (20188832)
|
Keywords | 自己組織化 / スピンクラスター / スピン相互作用 |
Research Abstract |
スピン偏極原子を、基板との化学結合力・分子結合力が極度に小さく、純粋に少数のスピン偏極原子間相互作用だけで構造が決まるような舞台の上に置くことができれば、スピンに起源を持つ原子構造の発現、すなわちスピン自己組織化が期待できるのではないだろうか?本研究の目的は、そのようなスピン偏極原子の自己組織化の可能性を、思考実験から一歩進めて現実の実験系で調べることである。そのため、アルゴン(Ar)など希ガスの薄膜基板上に、スピン偏極させたセシウム(Cs)原子の2次元クラスター(スピンクラスター)を作り、自発的にできる原子構造やパターンの巨視的、微視的観察を試みた。 1.希ガス基板の成長と構造解析: 2次元のクラスターを自由に成長させる基板として、アルゴンの薄膜基板を、超高真空中で極低温に冷却した水晶振動子膜厚センサの上に5層から30層の厚さで成長させ、結晶構造のRHEED観測を行なった。成長速度によって多結晶から単結晶ライクな膜まで結晶性を制御することが可能となった。 2.Cs原子蒸着:第一歩として、非偏極熱原子CsビームをAr単結晶膜の上に照射し、極低温水晶振動子(QCM)およびRHEED像の観測を行なった。詳細は解析中である。
|